ちくまプリマー新書<br> 翻訳をジェンダーする

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ちくまプリマー新書
翻訳をジェンダーする

  • 著者名:古川弘子【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684967

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内容説明

翻訳小説の女性達は原文以上に「女らしい」言葉で訳されていることがあります。翻訳と社会とわたし達の密接な関係を読みとき、性差別をなくすための翻訳、社会に抗する翻訳の可能性を探る一冊。

目次

はじめに/『プラダを着た悪魔』の主人公はどんな話し方をする? /「ハリー・ポッター」のハーマイオニーには友だちがいない? /小説はフィクション、わたしたちはリアルな存在/フェミニスト翻訳とは女性を「見える化」「聞こえる化」すること/これから紹介する内容/第一章 小説の女たちはどう翻訳されてきたのか/日本語への翻訳とジェンダー/日本語の女ことばと男ことば/翻訳の中の女性はもっとも典型的な女ことばを話す? /翻訳小説の女性の話し方vs現実の女性の話し方/分析の方法/翻訳小説の女性たちはどんな話し方をする? /翻訳小説の話し方≠現実の女性の話し方/自分にとって当たり前なことは目に見えない/翻訳された小説vs日本語で書かれた小説/役割語は翻訳の方が使われる? /児童文学ではどうなる? /児童文学は保守的。児童文学の翻訳はもっと保守的。/「すごく静かだね。」はどんな意味? /翻訳者が再現しようとすること/汚いとされる表現にも意味がある/女性の翻訳者vs男性の翻訳者/女が女を訳すとき/女ことばは作られたもの/文学で使われ、一般に広がった女ことば/女ことばは個性を見えなくする/章末資料/第二章 女たちのために自分たちで翻訳する/1970・80年代に、自分でいる力をくれた翻訳があった/女性の健康のバイブル『Our Bodies, Ourselves』/わたしのからだは自分のもの。自分のからだをよく知ろう。/自分を大切に生きる権利は、みんなにある/「からだ教育こそ、教育の中核だ」/知識は、わたしたちが自分自身を生きるための力になる/最初の日本語訳『女のからだ』/二冊目の日本語訳『からだ・私たち自身』/『Our Bodies, Ourselves』の時代──個人的なことは政治的なこと/『女のからだ』の時代──ウーマン・リブ/『からだ・私たち自身』の時代──ウーマン・リブからフェミニズムへ/フェミニスト翻訳の三つの具体的な方法/『女のからだ』のフェミニスト翻訳の方法/(1)性役割を「見える化」/(2)女ことばを使わず、女性を「見える化」/(3)「わたし」を「見える化」/(4)序文や脚注で翻訳者と著者を「聞こえる化」/『からだ・私たち自身』のフェミニスト翻訳の方法/(1)女性器名称のネガティブ表現をなくす/(2)月経は恥ずかしくない。隠さなくていい。/(3)看護は女性だけではなく、人間の仕事/(4)序文や写真、巻末で翻訳・編集者や関わった人たちを「見える化」/第三章 これからのために翻訳ができること/これから考えられる三つの変化/(1)一律の女らしさから、それぞれの個性へ/(2)ネガティブなイメージのない性器の名称へ/(3)「彼」と「彼女」だけでなく、インクルーシブな代名詞を/おわりに/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

57
【翻訳は社会を映し出す。映す社会を変えて、社会そのものを変えていこう!】大学院で翻訳学を学ぶ中で、翻訳の中の「女性らしい」言葉に違和感をもった著者が、社会に抗する翻訳の可能性を探った書。巻末に参考文献。<翻訳には、それまであった古い考えにとらわれない、新しい言葉を生み出す可能性があります。社会の中に存在しなかったり、埋もれたりしている概念を言葉によって「見える化」したり、それまでの偏った見方を変えたりする力があります。翻訳と社会と私たちの密接な関係を読み解き、性差別をなくすための翻訳を考えましょう>と。⇒2025/06/06

26
「〇〇を●●に言い換えよう!」との主張に言葉遊びだと揶揄する人よく見るけど、言葉って思考や社会規範を形づくる基礎になってたりするから結構馬鹿にできないんだよね。言葉遊び上等。2025/03/03

kan

22
翻訳の女ことばにずっと違和感をもっていたのと、対話の和文英訳の問題を作る際にもことばの選択に苦労してきたので、翻訳の難しさと実態を多角的に学べて面白かった。男性の翻訳と女性の翻訳とで差があることも興味深い。しかし後半は翻訳よりも女性のリプロダクティブライツ等のジェンダー論の話題に移り、ちょっと残念。著者はご自身が翻訳をするのではなく、翻訳学がご専門だと読み始めてから知った。2024/11/28

ヘジン

16
『こなれた日本語訳とはすなわち、日本の文化的背景のもつ女らしさの観念に適合された訳文だ』(大島かおり)。嫌すぎる。女言葉も明治に創作されたのか。嫌すぎる。元々日本語の本より翻訳本、女性翻訳者の本より男性翻訳者の本のほうが「〜かしら?」等の女らしい文末語が多いのは体感でわかっていたが、本書のデータで裏付けされた。最近の訳書では徐々に減りつつあるとは思うが、まだまだ。そして後半、新しい言葉が生まれれば、曖昧だった概念が社会通念になる。ネガティブでない言葉、雑なくくりの二元論ではない新しい言葉を作るの大事。2025/02/01

shikada

15
翻訳された女性の話し言葉をジェンダーの観点で見直す1冊。翻訳された海外文学に登場する女性人物は、国内文学の女性や、実在の女性よりも、「女性らしい」しゃべり方をする人が多いとのこと。特に児童書で顕著らしい。調べた本のサンプル数が少ないのでは?という疑問がないではないけど、文学作品での言葉づかいは男らしさ/女らしさを表現するのに便利な一方で、ジェンダーバイアスを補強する危うさも孕んでいると思った。「彼」「彼女」に代わる人称代名詞の話は知らないことばかりだった。英語の"ze"にあたる言葉が日本でも生まれるのかも2024/11/02

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