ちくま新書<br> エスノグラフィ入門

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ちくま新書
エスノグラフィ入門

  • 著者名:石岡丈昇【著者】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2024/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076465

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内容説明

生活を書く、それがエスノグラフィの特徴です。そして、もっとも良質なエスノグラフィの成果は、苦しみとともに生きる人びとが直面している世界を表し出すところに宿るものです。もともと人類学で発展したこの手法は、シカゴ学派を拠点に、社会学の分野でも広がっていきました。本書では、5つのキーワードに沿って、そのおもしろさを解説していきます。予備知識はいりません。ぜひ、その魅力を体感してください。

目次

はじめに/エスノグラフィとは/本書の著者について/エスノグラフィの核心/本書のスタイル/あるひとつの入門書/第1章 エスノグラフィを体感する/通夜と賭けトランプ/センス・オブ・ワンダー/海の少年/場面と主題/二重写しに見る/フィールド調査の十戒/フィールドの人びととの関係のあり方/調査の進め方/社会学的に観察する/フィールド調査のねらい/本章のまとめ/コラム1 サイクリストの独自世界/第2章 フィールドに学ぶ/経験科学/フィールド科学/雪かきの現場から/モノグラフ/可量と不可量/不可量を書く/ボクサーの減量の事例/人びとの経験に迫る/身体でわかる/フィールドへのエントリー/漁民から見る/人びとの対峙する世界/本章のまとめ/コラム2 ペットによる社会的影響とその効果/第3章 生活を書く/シカゴ学派/生活を見る眼/アフリカの毒/同時代の人びとへ/地続きの人類学/生活実践へ/日常生活批判/差別の日常/「いま─ここ」の注視/「人びとの方法」への着目/遠近法的アプローチ/まひるのほし/本章のまとめ/コラム3 遊びとしての公的空間での眠り/第4章 時間に参与する/生活論/生活を読み取る/生活環境主義/「森林保護」による生活破壊/時間へ/ボクサーの「典型的な一日」/時間的単位を知る/周期性とリズム/時間をめぐる困難/生が「生活」になるとき/共に活動すること/私の失敗談/本章のまとめ/コラム4 手話サークルから見るろうコミュニティとコロナウイルス/第5章 対比的に読む/図書館の歩き方/探索することの魅力/「赤青」の色鉛筆/読みの体感/エスノグラフィを読む/裏舞台だけを読まない/着眼点の移植/対比的に発見する/データをつくる/本章のまとめ/コラム5 リスクから見るサブカルチャー/第6章 事例を通して説明する/フィリピンとの出会い/繰り返し通うこと/対比という方法/事例を通した説明/論理の解明へ/羅生門的手法/客観性から客観化へ/ミクロ・マクロ問題/バンコクのバイクタクシー/エスノグラフィとルポルタージュ/本章のまとめ/コラム6 部活動におけるケガの社会学/おわりに──次の一歩へ/学ぶこと/受苦を生きる/楽しみと苦しみ/あとがき──読書案内をかねて/参考文献/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

78
『ローカルボクサーと貧困世界』の著書をもつ社会学者が書いたエスノグラフィ入門書。エスノグラフィは、自分の日常とは異なった研究対象(特定集団)の中に入っていき、長期にわたって同じ時間を過ごしながらそこで営まれる生活を参与観察し、記録する研究方法である。その要点として、フィールドに学ぶこと、同じ時間を過ごすなかで生活を記していくこと、調査者は人びとと活動を共にし、事例をとおして説明すること、場面と主題をつなげて考察を深めることなどがあげられている。→2025/02/16

けんとまん1007

45
地域のことに関わるようになって以来、ますます、どのように状況を掴むのか、それを、どう考えるのか・・で、頭を悩ませている。エスノグラフィーという言葉は、最近まで知らんかった。机上ではなく、あくまで、その場に臨む。臨む姿勢も、難しいと思っていたが、この本のおかげで少し整理できたと思う。自分自身を、その場の一人として位置づけ、可能な限り、実践すること。そこから、日常の何気ないところを中心に眼を向けること。時間軸で考えること。2025/01/16

shikada

19
フィールドで中長期的に時間をともにし、生活を書くエスノグラフィの入門書。フィリピンのボクサー、アメリカで家を追われたシングルマザーなど豊富な具体例で、エスノグラフィの狙いと手法を解説している。読むにつれ興味がわいてきた。「誰に着目すべきか」が分からずにいたけど、最後で「困難を生きる人びと」という1つの指針を示してくれた。「困難を押しつける社会状況に対しての鋭い観察眼を鍛え上げ」ている人びとの生活を書く。短い時間でスッキリする成果物が求められる傾向がある現代で大事な考え方だし自分でもやってみたいと思った2024/11/24

タカナとダイアローグ

16
人類学、参与観察に関心があるかつ、ノリに乗っている(ように見受ける)編集者・柴山浩紀さんというところから。エスノグラフィーが描きたいものとはどういうものか、質的研究・量的研究・古典など先行研究の考え方、行くんじゃなくて通うこと、その往復が重要っていう視座をうけとった。外部の観察者では理解できないことを記述する試み、ビジネス界隈で注目されている理由がわかる。独特の関係を理解することができるようになったら、どこが詰まってるか分かってなんとかなるような気がしている。構築人類学(松村圭一郎さん)の第一歩2024/10/23

つゆ

13
自らの身体感覚をもって生活の中に入り込み、内側からだからこそ見える目線により特定の社会の文化を理解し語るethnography 。うしろめたさの人類学を読んでいたため、とっつきやすい。熟練と新人ボクサーがサンドバッグを同じ柱にくくりつけする各々の練習には、新人が熟練の打ち込むリズムや強さを視覚や振動など体感を共有することで習得をはやめる効果があるとの調査にふむふむ。著者が練習の場に入り込んでいないと見えてこない風景。2025/07/23

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