ちくま新書<br> マンガ認知症【施設介護編】

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ちくま新書
マンガ認知症【施設介護編】

  • ISBN:9784480076489

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内容説明

大好きな祖母が認知症になってしまい、母と二人で介護に取り組むマンガ家、ニコ。在宅介護が限界を迎えて施設に入居してもらったものの、祖母の認知症の症状がみるみる悪化していきました。ふたりはしょっちゅう呼び出され、かかる費用は月40万円……!? じつは、認知症の人には「向かない施設」があるんです。「施設介護の始めどきって?」「この行動は本人からのSOS?」「職員さんとどう話せばいいの!?」「施設で最期を迎えるのはかわいそう……」介護事業を立ち上げて30年のコジマさんと認知症の心理学の専門家・サトー先生が、認知症の施設介護の不安を解きほぐします。

目次

序章 在宅介護を続けるべきか不安です/認知症とはなにか/ICD‐11の診断基準/認知症とその介護をめぐる状況/在宅介護の限界はいつか/第1章 どの施設が合っているのかわからず不安です(前編)/ニコ家の状況について/家族が認知症になったら/ケアマネには「事実」を伝える/施設を探す/第2章 どの施設が合っているのかわからず不安です(後編)/施設とすまい/介護老人保健施設(老健)と介護医療院/グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の現実/介護付き有料老人ホーム(有料)/特別養護老人ホーム(特養)/サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)はサービスなし? /なぜサ高住は高いのか? /「死んだ魚の目」に注意/第3章 本人が施設を嫌がっているのではないかと不安です/入居時不適応で起きる周辺症状/「帰りたい」と言うのはなぜ? /言葉が荒くなるのは、職員との相性が悪いから? /認知症の記憶障害の仕組み/虐待の兆候は介護職員同士の会話にある/入居時不適応はSOSでもある/第4章 施設とのつきあい方がわからなくて不安です/「施設に入れてしまった」と思わない/誰に話せばいいのか/施設で問題を起こしたらどうなる? /お金を勝手に使われている気がします/食事の悩み、おやつの差し入れ/差し入れよりも喜ばれること/しょっちゅう呼び出されたらどうする? /施設との適切な距離感とは? /全員参加型劇場をつくろう/第5章 この罪悪感が消えるのか不安です/入居半年後以降の周辺症状/学習性無力感に陥った人の特徴/本人の「望みが叶う」体験をする/サトー流、介護施設との付き合い方/面会したってどうせわからない? /第6章 自分の老後が不安です/介護保険はどう変わってきたのか/複雑すぎる介護保険の仕組み/お金がなくなったらどうなる? /在宅介護はできるのか/人手不足がとまらない/みんなで立ち上がる/第7章 不幸な最期にならないか不安です/入院することになったら? /余命が残り少ないと言われたら? /余命が不明の場合は? /「えん」での看取り/ピンピンコロリ信仰、ふざけるな! /歳をとっていく自分を肯定しよう/人生も介護も、つらいけどおもしろい/いい施設はいい職員がつくっている/番外編 レビー小体型認知症ってなんですか? ゲスト 樋口直美/レビー小体型認知症と診断されるまで/レビー小体型認知症とはなにか/レビー小体型認知症の診断/低下する認知機能の種類と困りごと/幻視があっても大丈夫/幻視への対応は? /一緒に工夫を考えよう/薬と上手に付き合おう/一緒に笑い合って人生を楽しもう/番外編 前頭側頭型認知症ってなんですか? /前頭側頭葉変性症から生じる三つの認知症/初老期にあらわれやすい/本能的な欲求があらわれる/アダム・スミスから考える/いつもの行動を利用する/最適解はないけれど……/あとがき ニコ・ニコルソン/あとがき 佐藤眞一/あとがき 小島美里/おすすめの本

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

読特

34
介護保険の補足給付の見直しで施設入所の負担が大幅アップ。自宅介護で乗り切ろうとすれば自己負担額は月30万を超える。「サ高住」とは、サービス”なし”の高齢者住宅。介護サービスは付帯していない。介護を頼めば費用は天井知らず。人手不足の高齢者施設。ケアが十分に行き届かないのはやむを得ない。止まらない少子高齢化。制度はどんどん改悪される。今の高齢者が受けられているサービスレベルは、次の世代は享受できない。このままでは、”集団自決”も正当化される。誰もが関わる。いつかはやってくる。知らねばならぬ。変えねばならぬ。2025/06/18

ようはん

17
前巻と同じくマンガも交えて読み易い内容だった。将来的な親の介護になるというと、施設に入れる場合は状態に応じた、親が満足できる施設なのは大事であるが現実的にはお金の問題が重くのしかかる。2025/03/21

ochatomo

12
4年前の前著よりは重たい話題、知れてよかった!だけではすまないものの、知らないとニコ家のように月40万支払って安らげないということに 特養もお金がかかるように変わっており、それを義父で体験した我が家は義母をほぼ同額で住宅型老人ホームへ入れた 2割負担は論外 という主張に私も大賛成 試読「自分の老後が心配です」 https://www.webchikuma.jp/articles/-/3487 最後になってしまったが一番心に残った言葉は『人生も介護も、つらいけれどおもしろい』 ほんとにそう! 2024刊2024/09/19

ochatomo

11
【再読】 約1/5がレビー小体型と前頭側頭型の認知症について パーキンソン病と連続するレビー小体型 薬剤過敏性は薬がよく効くということでもある また、悪いストレスは脳の猛毒らしい 『“世話される”“寄り添われる”という上下関係ではなく、同じ対等な一人の人間として、一緒に何かを楽しみ、笑い合っているとき、脳も体も最高に元気になる』2024/11/03

さちめりー

5
「歳を取ったらみんな障害者になる」、とズバッと明言していて好感が持てる。「年老いていくことや、亡くなっていくこと、認知症になることを認める」。これは同世代の現役ばかりに囲まれた生活をしている者にはなかなか実感しづらく、実際に歳をとった方々を身近に感じ続けなければ難しいと思う。いちばん身近な「老い」は多くの人は自身の親になるだろうが、ぶっつけ本番では何もわからずあたふたするしかないだろう。社会に「老い」が不在な中、こういった書籍で「老い」をイメージしておくことが、大切と感じる。2024/11/10

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