内容説明
「結婚」とは何か。山形県のムカサリ絵馬供養、青森県の花嫁人形奉納、沖縄のグソー・ヌ・ニービチ、韓国や中国・台湾の死霊婚など、死者に対する結婚儀礼の種々の類型を事例に、その社会構造や文化動態の観点から考察する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
56
使者を結婚させる「死霊婚」。本書は東北、沖縄、東アジアに伝わるそれを論じた一冊。この分野の専門書としては先に『東アジアの死霊結婚』を読んだが、そちらが死霊結婚の儀式、例えばムサカリ絵馬や婚儀の絵を中心に論じられているのに対し、本書はそれを取り巻く社会構造、例えば霊能者や拝み屋の関与といった部分に焦点が当てられており、違った方面からのアプローチが興味深い。一見東アジア全体に広がるような死霊結婚であるが、慰霊を目的としたものからイエの存続目的まで幅広いし。ただ補論は一般常識を並べただけで、食べ足りないな。2025/03/22
さとうしん
13
死者を擬制的・象徴的に結婚させることで供養するというムカサリ絵馬などの風習が古くからのものというわけでもなく、意外と現代的なものであるという議論が面白い。沖縄や中国の冥婚など、類似(するように見える)の風習との比較も行っているが、アフリカでの亡霊結婚が結婚の一形態と評価出来るのと比べて東アジアのそれはあくまで葬祭儀礼であるという話には納得。文庫版で追加された補論はそれはそれでいいという内容だが、死霊婚と直接関係するものではなく場違い感を抱いた。 2024/12/22
らむだ
2
Sd.2025/01/06
YUPO Tetesi
1
当初は私が育った津軽の習俗への興味から本書を手に取ったのだけど、最終的には現在の結婚や家族という制度や先祖への崇敬とは何なのかというところに収斂した。自分自身が両親や親戚との関わりを少なく生きてきたため自分の死後のことなど考えてこなかった。朽ちたら肉体は微生物や菌の糧となり骨は砕けて土に還ればそれでよいと思うのだが、それでは残された人達は納得しないだろうし、癒やしのサイクルとしての何かが必要なんだろう。自分はそういうところがたぶん大きく欠けている。2024/11/17
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