内容説明
本書を読んでスペイン旅行をしたら、必ずや闘牛を見るだろう。
そんな筆力が、本書の闘牛シーンに漲っている。<西上心太>
闘牛中の事故で亡くなった兄を悼むためにスペインへ向かった怜奈は疑念を持つ。兄は殺されたのではないか。だが決定的な証拠も証言もない。調べるうちに闘牛に魅せられた怜奈は、女性闘牛士になるという夢を持つ。古いしきたりに翻弄されながら修行に挑む怜奈だったが、兄を貶めた魔手は忍び寄っていた――。構想15年。スペイン闘牛界に蔓延る闇を、ミステリー界の気鋭が描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
100
★★★★★☆☆☆☆☆スペインの国技・闘牛を扱った下村敦史の長編。異国の地で闘牛の競技中に兄・大輔が事故死した。その死に疑念を抱いた怜奈は、単身スペインへ渡り兄と同じ足跡を辿るが――。兄が試合前に残した言葉の意味とは…というミステリ要素はあるものの、全体としては業界の抱える闇や女闘牛士の成長譚といった印象が強い。スペインを舞台としたのは旅費を経費で落とせるから…というのは穿ちすぎだろうか。膨大な取材に基づく力作だが、あれだけ毛嫌いしていた闘牛にたった一度の観戦で魅せられた怜奈の心の変貌こそ最大のミステリー。2025/12/30
のり
50
唯一の家族の兄まで、闘牛中の事故で失った「怜奈」。兄の不審な死に疑問を持ちスペインに渡る。兄も身を寄せていた場に怜奈も世話になりながら、嫌悪しかなかった闘牛を生で観戦し虜となる。自らも闘牛士になる為にスペインの家族に支えられながら努力を重ね、兄の死の真実を探る。とにかく死と背中合わせの危険が常にある。臆したら罵倒され、出場の機会も遠のく。闘牛界の闇に焦点を置いたミステリー。家族を大事にした怜奈にとって、この先の希望がみえる。2024/12/08
left7
15
下村さんの作品ではあるものの、ちょっと古い感じのするタイトルやカタカナの名前が苦手な自分にとってはやや期待値が低かったのですが、読んでみたら想像以上でした。ある意味下村さんの本領が発揮されていて、ちょっと特殊な状況でのルールや常識を上手く利用したミステリーとなっていて、話が上手くいきすぎている部分はあるものの、それもさほど気にならずに読めるぐらい面白かったです。また他の下村さんの作品を読むのが楽しみです。2025/07/15
汲平
7
闘牛に対して知識も興味もなかったので、元々闘牛を嫌っていた主人公が一度見ただけで魅了され、闘牛士を目指すのが理解できなかった。そのあと描写される闘牛士を目指すものの苦衷や闘牛会の裏事情、スペインの下町の猥雑さなどにちょっと閉口しながら読む。それが終盤いきなりその全てがミステリの伏線だった!さすがは下村敦史と感嘆しました。2025/04/18
terukravitz
6
★★★★☆2024/05/21
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