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内容説明
日本人はなぜ「儚さ」に美の本質を見出したのか。なぜ「主語」を明記せずに歌を詠んだのか。なぜ「本歌取り」で新しさを表現しようとしたのか。なぜ「擬音語」や「言葉遊び」を多用したのか。『百人一首』全訳で日米の翻訳賞を受賞した英文学者が、百首の謎を一つ一つ解き明かす。日本文化に出会い直せる「最良の入門書」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャッピー
27
京都新聞連載のコラムをまとめたもの。一首ずつ英訳と何故そう訳したか、その歌や作者・時代背景について解説。百人一首を外国人に解説してもらうなんてちょっと微妙な気分だけど、これが本当にわかりやすい。ざっくりすぎず、深掘りし過ぎずちょうどいい。掛詞や枕詞、読まれた背景などを理解したうえでの英訳なので、それもまた素晴らしい。「あしびきの~」は縦に長く山鳥の尾のイメージを視覚でも楽しめる。ドナルド・キーン先生にも褒められたという「これやこの~」は名訳だと思う。声に出して読んでリズム感を楽しめる。素晴らしい。2025/01/10
広瀬研究会
5
日本人でも現代語訳がなければ古文を解釈するのは難しいし、そういう意味ではアイルランドからやって来たピーターさんと一緒に百人一首を学んでいるような気分だった。歌のみならず、それを詠んだ作者や取り上げられた歌枕、さらには典拠となった本歌など、世界が広がっていくのが和歌の愉しいところ。源氏物語で大河ドラマを作れるなら、藤原定家を主人公にした百人一首の大河もできるんじゃない?って思ったら、近年では定家が撰者であるとは言い切れないという説があるんだとか。勉強になりました。2024/12/21
Gen Kato
4
昔から慣れ親しんできた百人一首、英訳することで違う景色が見えてくる感じ。訳するひとっていろいろな部分で工夫して読ませてくれているんだなあ、と今さら学ばされました。2025/05/01
とりもり
4
タイトルの「謎とき」通り、一首ずつ設定された問いに解説文で答えることで、外国人から見た日本文化の不思議さを指摘している。それ自体より、著者による英訳の言葉選びに、文化の違いをどう克服するかという努力が垣間見えてとても興味深かった。今までは、掛詞などがある短歌や俳句を英訳してもニュアンス通じないだろうと馬鹿にしていたが、如何にそのニュアンスを再現する表現を選ぶかという意味で、これは既に新たな創作活動なんだと思って認識を改めた。途中から翻訳についての説明が激減しているのが個人的には残念だった。★★★★☆2025/02/15
Yasuyuki Kobayashi
2
イギリス人学者による百人一首解説本。 丁寧な解説でとても解り易かった。 新潮社「波」11月号茂木健一郎氏推奨2024/12/05
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