新潮選書<br> 蔦屋重三郎―江戸の反骨メディア王―(新潮選書)

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新潮選書
蔦屋重三郎―江戸の反骨メディア王―(新潮選書)

  • 著者名:増田晶文【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 新潮社(2024/10発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106039171

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内容説明

貸本屋から身を起こし日本橋通油町の版元となった「蔦重」こと蔦屋重三郎。江戸後期、田沼意次の浮かれた時代に吉原の「遊郭ガイド」を販売し、「狂歌」や「黄表紙」のヒット作を連発した男は、言論統制を強める寛政の改革に「笑い」で立ち向かう。北斎や歌麿、写楽ら浮世絵師の才能も見出した、波瀾万丈の生涯を活写する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

118
先日読んだ田中優子の本は学者視点から蔦屋重三郎の才能を分析していたが、こちらは社会や文化の風潮を捉えるビジネスマン蔦重の商売勘が中心。江戸庶民が求めるものを正確に掴み、それを満たす本の内容を考え、ふさわしい作家や画家を起用する有様を描いていく。こうした有能なプランナーがいたからこそ南畝、歌麿、京伝、写楽といった各ジャンルの知られざる人材が発掘されたわけだ。逆に自分に自信を持ちすぎて、松平定信に弾圧された姿が浮かぶ。本職のノンフィクションライターらしい手法だが、それだけ蔦重の生き様がくっきりと浮かんでくる。2024/12/31

ジュンジュン

15
蔦重ならこう言うだろうとか、蔦重ならこう思ったはずだなど作家ならではの忖度を加えつつ描いていく。もともと史料が乏しい故、この方法が正解なのかもしれない。また、現代の言葉に例えているのも特徴だ。蔦重=アレンジャー、パブリッシャー、エディター、プランナー、デベロッパー等。遊女=インフルエンサーだし、黄表紙=ライトノベルの始祖とか。この辺は好みが分かれるかもしれない。2024/11/23

coldsurgeon

12
蔦屋重三郎の人生を追う楽し気な書。重三郎が新たに生み出したものはほとんどなく、オリジネーターではない。しかし、卓越したアレンジャーであり、プロデューサーであった。江戸後期の文化を語るうえで欠かせない作家たちを、後の世まで広めたのは彼の功績であろう。その晩期には、賀茂真淵の本まで手掛けていたとは驚きだった。時代をよく見る視点を持っていたのだと理解した。2024/12/14

田中峰和

6
1750年、新吉原で生まれた蔦屋重三郎は、24歳で吉原細見を刊行。吉原の遊女評判記、風俗情報誌として百年以上続く定期刊行物となった。重商主義で江戸を栄えさせた田沼意次の治世によって、蔦重の出版業をあたり、狂歌ブームを追い風に、日本橋に進出。上質な書物は上方中心で、江戸のものは地本と呼ばれ下に見られていたが、蔦重は黄表紙の成功で一気に地本のイメージアップに貢献した。政権は田沼から松平定信に代わり、寛政の改革によって質素倹約に移行。蔦重はそのあおりを食ったが、歌麿、写楽の美人画で再生した。大河ドラマが楽しみ。2025/01/13

Cana.t.kazu

6
 蔦重の経歴を丁寧にたどっている1冊です。 個人的には大童山や相撲絵との写楽売り出しがどのように進んだか,写楽への考察も興味深かったです。2024/12/14

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