内容説明
バレーボール元日本代表の益子直美さんが主宰する「監督が怒ってはいけない大会」が、メディアで注目され始めている。この大会、その名のとおり「監督が怒ってはいけない」というルールが柱だが、そのほかにも「参加する子どもが最大限に楽しむこと」「子どもたちも監督もチャレンジすること」の三本柱をテーマとする。
益子さんたちのこの試みは「体罰やパワハラが問題になるスポーツ指導に一石を投じる」として、小学生のバレー大会だけではなく、全国のスポーツクラブなどに浸透し始めている。
益子さんはいう。「『怒る指導』は心の成長を阻止し、考える機会を奪います。小学生のスポーツを始めるこの時期はとっても大事な時期です。『根性が足りない!』と脱落させる指導ではなく、『スポーツは楽しい』と思えて、自ら考えて行動でき、継続できるような環境にしてほしいと考えて、少し攻撃的ですが、シンプルに『監督が怒ってはいけない』というルールの大会を開催させていただきました」
本書は、2015年から始まり、すでに9年目を迎えるこのユニークな試みを、その誕生から、大会の様子、子どもたち、監督、親たちの反応や横顔をていねい描いていくノンフィクション作品である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サラダボウル
12
2025年3月で10年になる「監督が怒ってはいけない大会」。バレーの益子さん、北川さんご夫妻の3人が、小学生の成長、育成に奮闘されてきたスマイル記録。まず驚愕が、活動が始まった頃も、こども達が怒鳴られ平手打ちされ泣きながらプレーをしているというスポーツ界の常識(?)。怒られないために続ける、思考はゼロになる、スポーツが嫌いになる。そおっと、大きな、大きな狼煙を上げた3人に敬意!アンガーマネージメントなどは、親として自身を省みたりも、、、。スポーツマン→good fellowなのか!こども達に良い人生を。2024/10/26
いざなぎのみこと
11
バレーボール日本代表選手だった益子直美さんが始めた「監督が怒ってはいけない大会」。現役時代はバレーボールが嫌いで嫌いで仕方なかった経験からこの発想に至ったということです。勝利至上主義のスポーツ界では未だに主流なのでしょうね。でもやっぱりスポーツは楽しくやっていてほしい。こんな想いの人たちがもっとたくさん増えることをお祈りしております。2024/08/22
チェアー
7
恐怖で縛り付けないと指導できないのは自分の能力のなさを告白しているようなものだ。理を尽くせないから権威しか頼るべきものがないのだ。甲子園至上主義や勝利至上主義にうんざりしていたので、この本は自分が感じていることは間違っていないのだと自信を与えてくれた。 2024/04/10
プル
6
スポーツを始める時、学校の部活やスポーツクラブに入ると、叱られる世界の扉が開かれる世界が未だに存続するという。頭の中まで筋肉の人は、選手の動きが悪い、想定内の動きをしないと、じれったさと感情が混じって、選手を罵倒し始める。叩くことも当たり前になってくる。選手は自分自身を卑下し始め、いざという時に委縮し、選手は大舞台も拒むようになる。指導されたことしか行わなくなり、自分で考えることを止めてしまう結果に。その思考癖、行動の仕方を身に着けてしまう人生を送ることに。日本選手の指導育成が真っ当な世界になりますように2024/11/07
どん
4
自らの経験から監督が怒ってはいけない大会を立ち上げた北川美陽子さん、新二さんと、元バレーボール日本代表の益子さん。3人の想いの強さ、行動力、大会でバレーやリレーを笑顔で楽しむ子供たちの写真。読んで楽しくなる本。他のスポーツや仕事でも参考になる言葉が多かった。 ただ、体罰うけ、そこから這い上がってこそ強くなるという誤った恐怖の指導の下で怯え自信を喪失し、好きなバレーができなくなった著者たちの苦悩の上に成り立った活動。10年目に入った大会がもっと広がっていってほしい。2024/08/21
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