内容説明
いま、韓国の文学、音楽、ドラマや映画に惹かれ、その社会や言語に関心を持つ人はますます増えている。本書では、著者が韓国語(朝鮮語)を学び始めた背景、この言語の魅力、痛みの連続である現代史と文学の役割、在日コリアンと言語のかかわりなどを、文学翻訳の豊かな経験から親しみやすく語る。文字、音、声、翻訳、沈黙など、多様な観点から言葉の表れを捉え、朝鮮半島と日本の人々のあいだを考える1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
84
著者は韓国文学の翻訳家であり、以前読んだ『韓国文学の中心にあるもの』が大変よかったので、この本も読んでみた。比較的薄い本ではあるが、教えられることは多い。副題に「韓国語と日本語のあいだ」とあるように、まさに両方の言語と関りをもつ著者ならではの立ち位置から、この似ているけれど、よく考えると随分異なっている言語について考えていく。その中で、自分とハングルあるいは韓国語との出会いや関わり、さらに日本と朝鮮・韓国の歴史的な関わりにまで話はおよぶ。途中に書かれている本は、初歩の韓国語、韓国文学入門にもなっている。2025/02/20
たま
79
『本の栞にぶら下がる』の斎藤真理子さんの本。「マル 言葉」「クル 文、文字」「ソリ 声」「シ 詩」「サイ あいだ」の5章からなり、それぞれのトピックに寄せて斎藤さんが韓国語を学んだ経緯、韓国の歴史、文学作品などをやわらかに語る。私自身は韓国の小説を読み、韓国人の知り合いもいるが、欧米語に較べて韓国語の知識不足(昔ハングルを勉強したが全然頭に入らなかった)を残念に思っている。そんな初心者に読みやすく韓国の文化への親しみが増す。2025/08/29
ネギっ子gen
73
【答えを急がないことが、あいだにいることを楽しむ一番のコツ】韓国語(朝鮮語)を学び始めた背景、この言語の魅力、痛みの連続である歴史と文学の役割などについて、韓国文学の翻訳者が真摯に考えた書。巻末に作品案内。<「あいだ」は常に揺れているのだ。思う言葉と話す言葉、聞いた言葉と書かれた言葉、印刷された言葉のあいだにも揺れがある。各国で標準語とされている言葉のあり方にも、常に揺れがある。そもそも言葉は「揺れ」の集合体かもしれない。そして翻訳は、揺れているものどうしのあいだに揺れる吊り橋をかけるようなことだ>と。⇒2025/10/02
とよぽん
58
韓国文学の翻訳者、斎藤真理子さんのエッセイ的な文学論?文化論?言語論? 周りを海に囲まれた日本にとって、隣の国・・・とは。考え込んでしまう。一番近いのは韓国か。そして日本と韓国は、その長い歴史の中でとても複雑な関わりをしながら現代に至っている。親疎のほどは・・・。著者によると、とても親、なのだ。日本が朝鮮の人々に対して行ってきた非人道的な仕打ちにも触れながら、韓国語の文字(ハングル)の優れた合理性や、情動的な音の響きが醸す魅力を熱く語る。韓国文学に対して、これまでとは違った面から興味を感じた。2024/12/06
yumiha
38
かつて韓国旅行へ行く前にせめて看板の文字を読めたらなぁとハングル講座を1.5時間×2回通った。でも「ア」だけでも何種類かあって混乱し、近い国でも、じぇんじぇん違う言語体系だと思い知らされて、語学の才能のない私は挫折したことを思い出した本書。マル(言葉)もクル(文字)もソリ(声)もシ(詩)も、奥深い。辞書ではたどり着けないニュアンスだ。そこに韓国という国の持つ歴史が関わっている。朝鮮戦争がいまだ休戦のままだということ、在日コリアンの「朝鮮籍」の意味、神風特攻隊には朝鮮人兵士もいたことなど初めて知った。2025/03/09
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