講談社学術文庫<br> 生命の意味論

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講談社学術文庫
生命の意味論

  • ISBN:9784065370636

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内容説明

伝染病も老化も死も、官僚制も企業も大学も、「免疫」からはこう見える! 『免疫の意味論』(大佛次郎賞)を凌駕する圧倒的スケールで描かれる、稀代の免疫学者による「超」生命論。(解説:養老孟司)

「私はこの本で、生命の持つあいまいさや多重性、しかしそれ故に成り立つ「超(スーパー)システム」の可能性について考えた。そこには「不気味さ」と「美しさ」が紙一重で同居している」――「まえがき」より

[目次]
まえがき
第一章 あいまいな私の成り立ち
第二章 思想としてのDNA
第三章 伝染病という生態学(エコロジー)
第四章 死の生物学
第五章 性とはなにか
第六章 言語の遺伝子または遺伝子の言語
第七章 見られる自己と見る自己
第八章 老化――超(スーパー)システムの崩壊
第九章 あいまいさの原理
第十章 超(スーパー)システムとしての人間
参考文献
あとがき
解説 多田富雄さんと私 養老孟司

目次

まえがき
第一章 あいまいな私の成り立ち
第二章 思想としてのDNA
第三章 伝染病という生態学(エコロジー)
第四章 死の生物学
第五章 性とはなにか
第六章 言語の遺伝子または遺伝子の言語
第七章 見られる自己と見る自己
第八章 老化――超(スーパー)システムの崩壊
第九章 あいまいさの原理
第十章 超(スーパー)システムとしての人間
参考文献
あとがき
解説 多田富雄さんと私 養老孟司

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえぽん

39
免疫学者が、免疫系、脳神経系などを超システムと観念し、言語、都市等の社会現象にも応用した意欲作。免疫系も脳神経系も、基本的な構造は遺伝的に決定しているが、全過程は予定されておらず、自身の内部的な目的で、後成的に内外の情報を基に複雑化する。歴史的に伝染病に対する人類の行動が不変であること、個体の生を保証するために細胞の死が必要なこと、性の分化過程から女は存在、男は現象と見られることなど、自己と非自己の多様な表れも興味深い。多様性、冗長性は危機対応に必要だとし、合理性だけの行政改革の危険性を説いたのも慧眼。2025/01/10

特盛

28
評価3.7/5。もう30年近く前に書かれた書籍か。東大医学部の免疫学教授の多田先生によるエッセイ。何物でもないものから秩序を作り、多様化していく生命の特徴を、スーパーシステムと定義し、言語や都市や国家まで拡張して語る。そこにある特徴は自己組織化や閉鎖性と開放性の両立、自己言及・自己決定的な在り方だ。生命科学をベースに自由に社会学的・学際的な語り口は知的好奇心がくすぐられる。個体を一つの社会ととらえる考えや、男女の性に関して、発生学的な観点から「女は存在・男は現象」という言葉はとりわけ印象的だった2025/03/23

おだまん

14
自分が学生だった頃のトピックゆえか30年たっても古さは感じずだったのですが現在はどれくらい研究が進んでいるんだろう。不変なのはこの世界は超システムにより機能している、最終章を読むだけでも今読んだ価値があったなぁと思います(というかここが読みたかった)。philosophyの意味。2025/02/27

Go Extreme

2
あいまいな私の成り立ち: 私が私の形をしているわけ 超システムの誕生 思想としてのDNA: 造物主DNA 記号としてのDNA 利己的遺伝子 しなやかなDNA 超システムとしてのゲノム 伝染病という生態: ペストの登場・意味論 インフルエンザの進化 死の生物学: 自殺する細胞 死を介した自己形成 死の意味 性とはなにか: 遺伝的な性の決定 脳の性 女は存在・男は減少 言語の遺伝子・遺伝子の言語 見られる自己と見る自己: 鵺の多重構造 寛容と排除 自己の標識 老化 あいまいさの原理 超システムとしての人間2024/10/03

Shinjuro Ogino

0
著者は、私も名前を聞いたことのある(聞いたことしかないが)有名な免疫学者。しかし、この本は私にとって問題が2つ。1)内容が難しい。例えばスーパーシステムの概念が判らない。2)どの程度今でも正しいか判らない。すなわち本書は、1997年に出版され2024年9月に再版されたもの。しかし、著者は2010年に亡くなっている。本書の解説は養老孟司氏。しかし、内容は、当人が言っているように思い出話ばかりで、「解説する資格もその意欲も無い」としている。この分野は近年発展が著しい。読者としては最新の研究を踏まえてほしい。2024/12/24

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