内容説明
社会が危険な方向に向かい始めたとき,次世代を育てる者はどう身を処すべきか.20世紀の新教育思想を身につけ,ナチス政権下で密かな抵抗を続けた一人の教師アドルフ・ライヒヴァインの生涯と実践の試みから私たちは何を学べるだろうか.暗い時代に輝き芽吹いた小さな村の学校の営みから,教育の不易の姿を描き出す.
目次
はじめに――ライヒヴァインとは
Ⅰ ナチスのドイツにとどまる
Ⅱ ティーフェンゼー農村学校への赴任
Ⅲ ナチス教育とティーフェンゼー農村学校
Ⅳ 『創作する子どもたち』――抵抗の教育
Ⅴ 思い出のなかに生きるティーフェンゼー教育
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Aby
5
ヒトラー暗殺未遂事件(7月20日事件)に連座していた教育者がどのような教育をいていたのか.あの時代,ナチス式教育に抵抗するのは,それ相当の信念があってこそのもの. 2026/04/28
ののまる
5
日本ではほとんど知られていないライヒヴァイン。ナチスの教育に抗って、ドイツの田舎で人間(こども)中心の実践的教育を試みた教師。2026/03/30
みさと
5
アドルフ・ライヒヴァイン、民主主義と自由の価値を信じて教育に献身したドイツ人。ワイマール共和国時代に民衆大学設立を実現するも、ナチス時代に教授職から追放。国外へ逃れる機会もあったが、次世代のこどもたちの心を守るためドイツに残ることを決意。全学年で一学級しかない片田舎の農村学校の教師として、自分の頭で考えること、主体的な自己であること、世界に開かれた目を持っていること、創意工夫により生活を豊かにする教育を実践。こどもたちは目を輝かせて学校に通った。しかし、国家反逆罪で処刑。そんな人がいたことを初めて知った。2024/12/05
左手爆弾
4
ナチス体制下で面従腹背を貫いたライヒヴァインの活動を紹介。亡命の選択肢もあったが、あえて農村の学校で子供たちを教えることを選んだ。「教育の特質は子どもから出発し子どもによって規定される」「手で創作したものは、頭で楽に理解できる」との信条のもと、独創的な教育活動を行なった。温室を作るという授業の中では、教師もまた専門家(職人など)の指示に従って作業することで、教師は万能ではなく、ともに学ぶ仲間なんだということを身につけさせる。ヒトラーやナチスの「教師嫌い」の風潮と戦った一面も多く見える。2024/10/26
しき
2
最後の方は泣きながら読んだ。ライヒヴァイン先生の教えに胸を打たれた。2025/09/05




