内容説明
タイカレー、どこで食べたのか、憶えてる?
今読みたい、人気作家たちのベスト短編集
浮気を繰り返す男の前世とは? 未来の夢を見る少年とその一家、インストールされたAI探偵の存在意義は、貝殻から自分そっくりの人間が生まれたら? トー横カップルの哀しい道行き、村の忖度博物館をどうする? 8年前のガラケーに届いたメッセージ――2023年に発表された短篇から、日本文藝家協会の選考委員が独自にセレクト。今読まなければもったいない、人気作家たちによるベスト短編集最新版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
139
夏のカレーにまつわるアンソロジーかと思ったら・・(汗)11名なかなかのラインナップ。しをんさんと宮島さんを楽しみに読んだ。あらら荻原さん、遊んでましたね(笑)『夏のカレー』の原田さん、『シスターフッドと鼠坂』の中島さんも良かった(成瀬登場か?と期待しちゃったのは内緒の話)でも一番惹かれたのは最後の武石勝義さん『煙景の彼方』だった。2024/09/30
chimako
71
11人の作家の方々がカレーに絡む小説を書いたアンソロジーかと思いきや、「夏のカレー」は原田ひ香さんの短編の題名だった。それでカレーが出てこなかったのね、と妙に納得して表題作を読み始める。なかなか良かった。作者の中で初読みは澤西祐典氏と武石勝義氏の二名。澤西さんの作品はとらえどころのない怖いお話。武石さんの短編も懐かしくてちょっと怖い。でも最後に泣かされる。好きだったのは宮島未奈さんのガラケーの話。地元の友人や同級生とのささやかなギクシャクさ加減とか、安心できてはまりこむ感じとか、絶妙。2025/01/29
pohcho
59
表題から勝手に「夏のカレー」をテーマにした短編集だと思っていたが、表題作以外はカレー関係なかった(笑)そして、断然よかったのは表題作。最後がめちゃくちゃ切なかった。「シスターフッドと鼠坂」は既読だが、読み返してみてやっぱり好き。初めましての澤西さん「貝殻人間」はとても不穏、武石さん「煙景の彼方」は不思議で切なくてどちらもよかった。「忖度の村」は笑いがとまらなかったし、「猪田って誰?」は絶妙。個性派揃いで楽しめた。2025/08/18
ひさか
51
2023年に発表された11編を文春文庫から刊行。豪華な作家陣だが、突出したものはなく、そこそこのそれなりという出来。こういう世界も味があって面白い。2024/12/31
ぽろん
35
勝手にカレーに纏わるアンソロジーだと思って読み出したら、なんか違う。よく見たら、ちゃんと書いてあるではないか。現代短編小説のベストコレクション2024って^^; 心がカレーを求めていたせいか、表題作の夏のカレーが一番心に響きました。2024/10/06