内容説明
右翼系雑誌を扱う出版社が放火された。思想犯のテロと見て現場を訪れた公安の淡海は、作家兼業の刑事・毒島と出会う。犯罪者をいたぶることが趣味の彼は公安の考えも小馬鹿にし、淡海は反発。衆議院選挙が迫る中、さらに極左集団が絡む事件が勃発、ついに魔の手は候補者に向かう。テロは防げるのか? 歪んだ正義を毒舌刑事が斬る痛快ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
153
★★★★★★★☆☆☆政治色を強めた毒島シリーズ第3弾。保守系の出版社が放火された。左翼団体の関与を疑う公安一課の淡海は、偶然居合わせた毒島と放火犯の正体を探るが――。犯行声明を出した「急進革マル派」なる団体の正体とは。連作短編のように事件を紡ぎ、やがて一つの真相にたどり着くお馴染みのスタイル。左寄りの人物が自身の正当性を主張する場面があるが、それが却って滑稽さを揶揄するようなニュアンスを帯びている。顔を真っ赤にして憤るであろう左派関係者に対して、「うふ、うふふふふ」という中山七里の嘲笑が聞こえた気がした。2025/03/30
湯湖
63
【毒島シリーズ3】他シリーズのあの人やあの人の名前が出てくるのは、中山作品のお約束(?)。今回、毒島が対峙するのはテロリストで、犬猿の仲のはずの公安部との合同捜査。各章で起こった事件の犯人が毒島に詰められるわけだけど、やや物足りなかった印象。もっと苛烈な追い込みを期待していたけど、正式な捜査担当者じゃないから仕方ないか。第一章で、犯人を確定する決め手となったモスキート音は、私も聞こえないお年頃(笑)。2026/04/29
坂城 弥生
55
右翼とか極左とかとっつきにくかなぁ…とあらすじを読んで思っていたけど、いつも通りの毒島でスラスラ読めました。章ごとに犯人が追い詰められるのも良かったです。2024/11/01
ハゲおやじ
54
毒島シリーズ 第3弾。今回は、明日香の同期の公安と思想犯テロを追う構成。前作ほど毒島の気持ち悪さは出ていない。作家としての毒島が前面に出ていて 驚く事が多い。極左集団の犯罪を未然に防ぐ為に 動き回る ふたり?だが、驚きの犯人にたどり着く…って 作家としての毒島人気には 驚くね。笑顔の裏の冷酷さが それほどでも無かった本作だけど、ちょっと行ったり来たり感が長いかなぁ。でも それがあったから こそ ラスト10ページ位からの急展開に ”溜飲が下がる” って感じかなぁ。2025/07/10
ま~くん
52
ある出版社が放火された事件にあまり見られない公安部と刑事部が二人三脚の様な捜査を始める。刑事部は勿論、毒島真理刑事技能指導員。大学内での学生の殺人事件、動機不明の女性2人の自殺、更には沖縄の基地問題も絡んで混沌状態。それぞれの事件で毒島はしっかりと答えを導き出していく。結末はどんでん返しの帝王に相応しく「お前かい!」とまた驚かされました。巻末の解説にもあったが中山七里の仕事量と内容は半端ないとのこと。今の時代ならさしずめ大谷翔平クラスなのかも。しかし、現実世界でもこれに近い事が行われているのなら恐ろしい。2025/03/16
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