内容説明
ああおいしい。姫君の喉もたべてやりましょう――。おぞましい遊戯に耽る男と女(坂口安吾「桜の森の満開の下」)。大怪我を負った夫に堕ちてゆく妻(江戸川乱歩「芋虫」)。幼き兄妹が罪深き愛故に望む裁き(夢野久作「瓶詰地獄」)。泉鏡花、谷崎潤一郎、小栗虫太郎、太宰治ほか名だたる文豪達による10の良識や想像力を越えた怪作。物語は今、あなたの網膜に焼き付き、忘却を拒む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
78
有名作家による耽美幻想アンソロジー短編集。10作品中、半分は既読だが全て未読ならお買い得だと思う。 自分が読んだ中では小栗虫太郎『白蟻』が当然ながら『黒死館殺人事件』とは異なり独特のまとわりつく感じがあって印象に残る。 そしてトリが漱石の『夢十夜』っていうのが良い終わりかた!2025/01/10
HANA
64
文豪たちによる幻想系作品アンソロジー。名高い作品ばかりなのでほぼ全て既読なのだが、どれも二読三読に耐えうる作品ばかりなので問題なし。冒頭の安吾「桜の森の満開の下」から一気に憂世から物語の世界に引き込まれるし。その後も乱歩の「芋虫」夢野久作「瓶詰地獄」の地獄絵図、谷崎の耽美と黒い美しさを存分に楽しめる造りとなっている。小栗虫太郎「白蟻」は重厚なバカミス、トリックを解説されても何がどうなってるのかわからないといった内容で異彩を放っているけど。とあれ名作揃いの一冊、どれも読み返せて満足この上なかったです。2025/03/02
ベイマックス
64
「桜の森の満開の下」坂口安吾。「影」芥川龍之介。「芋虫」江戸川乱歩。「浮舟」泉鏡花。「新毒丸」折口信夫。「白蟻」小栗虫太郎。「刺青」谷崎潤一郎。「瓶詰地獄」夢野久作。「駈込み訴え」太宰治。「夢十夜」夏目漱石。以上10作。この年代の日本文学が好きな方にはおすすめです。2024/11/07
けいこ
31
文豪による耽美幻想アンソロジー。坂口安吾『桜の森の満開の下』とても綺麗な文章が幻想的な印象を醸し出す。谷崎潤一郎『刺青』少女が段々と美しい女になる様が谷崎作品というフィルターもあってよりゾクゾクする。江戸川乱歩『芋虫』いびつでも男女の間に愛はあった。でもちょっと気持ち悪い、、。芥川『影』これはオーソドックスなホラー。夢野久作『瓶詰地獄』生と死、希望、絶望、狂わしい世界。1番タイトルに合っているのかも。夏目漱石『夢十夜』言わずと知れたこの作品。まさに耽美と幻想。2025/05/07
ざるめ
11
あぁ何か懐かしいな〜(*´∀`*)昔こんなのをよく読んでたわ〜(ノ´∀`*)2025/03/13