内容説明
『人形の家』のイプセンの妻の十代、中年、老年を同時に登場させ独白させる『スザンナ』をはじめ、三作を収録したノルウェーのノーベル賞作家による待望の戯曲集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
37
それぞれ毛色が違った三種類の戯曲。フォッセのテイストを味利きのように楽しむことが出来る。平易なのは最初の「名前」で作者自身は最後の「ぼくは風」を特に気に入っているようだが、個人的には「スザンナ」に感銘を受けた。あまり演劇というものに馴染みがなかったので、こういう形の前衛的な戯曲もあるのかと驚き、圧倒された。それと、ここまで刊行されたフォッセの翻訳本、どの書籍にも言えることだが解説が非常に充実していて丁寧である。この文庫本の値段には魂消たが、ノーベル賞受賞から時を置かずして刊行してくれたことには感謝したい。2024/09/07
おだまん
4
ヨン・フォッセの戯曲集。自分の感性に合っているのだと思う。「ぼくは風」が好き。2024/09/30
timeturner
3
戯曲集。無造作に投げ出される台詞は、易しく簡潔な言葉だからするする読める。でも、裏にある事情や感情はよくわからないから、あれこれ想像しながら登場人物たちのおかれた状況や心象を構築しなければならない。それがすごく面白い。「スザンナ」は劇作家イプセンの妻スザンナの、19歳、中年、老年を3人の女優が同じ舞台の上で演じるというユニークな趣向で、実際の舞台を見てみたいと思った。それにしてもイプセンって、劇作家としての評価はともかく、配偶者としては最低だったんだな。2024/11/11
Moish
2
2023年のノーベル文学賞受賞作家。それまで日本では翻訳がなく、ほとんど知られていなかった理由がわかる。話の筋は決して難解ではなく、むしろわかりやすいが、「果たして何を伝えたかったのか」がわかるかと言われれば、言葉に窮してしまいそう。受賞理由は「声なき声に声を与えた革新的な戯曲と散文によって」だそうで、よくわからないが、収録3編のうち『ぼくは風』を読むと、なんとなく「ああ、なるほど」と思えたりする。でも好きなのは、リアリズム寄りの『名前』のほう。小説はどうだろうか。2025/01/07
葛
0
名前、スザンナ、ぼくは風の3作の戯曲 ヨン・フォッセ作 アンネ・ランデ・ペータス、長島確訳 2024年9月10日印刷 2024年9月15日発行 発行者:早川浩 発行所:株式会社早川書房 印刷:星野精版印刷株式会社 製本:株式会社フォーネット社 定価:本体2200円+税 カバーデザイン:工房はやし ノルウェー文学海外普及協会の助成 NORLA2025/01/19




