ちくま学芸文庫<br> ポパー〔第2版〕

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ちくま学芸文庫
ポパー〔第2版〕

  • 著者名:小河原誠【著者】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2024/09発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480512499

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内容説明

ウィーン出身の哲学者カール・ポパー(1902‐1994)。その思想は「批判的合理主義」として知られ、主として科学哲学や政治哲学の領域でこれまでに大きな影響を与えてきた。だが、この「知の巨人」の反証主義などの思想はたびたび誤解され、批判にもさらされてきた。本書は、ポパーを最も深く、かつ正確に理解する著者がそうした誤解を正し、ポパーの明晰さそのままに知の体系を解説するものである。『開かれた社会とその敵』の新訳も担当した著者による、いちばん信頼できる伝記として、また専門的見地に基づいたポパー哲学全体を俯瞰できる最良の入門書としても広く読まれてきた定番書、待望の改訂版。

目次

第2版序/まえがき/第一章 若きポパー/1 ウィーン、時代の激動/2 マルクス主義との出会い、そして別離/3 科学についての基本的洞察/4 音楽、そして芸術と科学/5 哲学者への歩み/第二章 反証主義/1 認識論の二大根本問題/2 帰納の問題/3 探究の論理/4 因果的説明のモデル/5 反証可能性の理論──論理的側面/6 境界設定問題──方法論的反証主義/7 反証可能性の度合い──理論比較のための基本的考察/第三章 社会科学の方法/1 イギリス滞在、そしてニュージーランドへ/2 『ヒストリシズムの貧困』と『開かれた社会とその敵』の成立事情/3 ヒストリシズムの貧困/4 弁証法の克服/5 状況の論理/第四章 開かれた社会とその敵/1 プラトン/2 マルクス/3 政治哲学──民主主義の理論/4 合理主義の根本問題/第五章 思想の冒険──論争の哲学/1 批判の伝統──ソクラテス以前の哲学者に帰れ/2 ウィトゲンシュタイン批判──哲学的問題は存在するか/3 いわゆる「実証主義論争」について/4 パラダイム論争/第六章 オープン・ユニヴァース/1 非決定論/2 三世界論/3 進化論的認識論/4 自我とその脳/第七章 倫理/1 ヒストリシズムの倫理への批判/2 ヒストリシストの倫理への対抗倫理/3 倫理と認識論/4 新しい職業倫理/ポパー略年譜/主要著作ダイジェスト/キーワード解説/読書案内/あとがき/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ふみあき

68
政治哲学方面で高名な『開かれた社会とその敵』が文庫化されたというので、ポパーに初挑戦しようと書店に行ったら、分厚いのが全4巻で並んでいるのを見て完全に気おされた(同じ経験はピンカーの『暴力の人類史』でもしている)。そのまま逃げ帰るのも癪なので、代わりに買ってきたのが本書。何とか読了できたが、有名な反証可能性の理論、歴史法則主義への批判、進化論的認識論、三世界論と、ポパーの射程範囲の広さに圧倒される(私には特に非決定論が興味深かった)。まさに「遅れてやってきた啓蒙主義者」、古き良き時代の知識人といった印象。2025/08/24

buuupuuu

22
反証主義と情報量の関係の説明が目から鱗だった。情報量の大きい言明は確率が低く、反証を受ける可能性が高い。トートロジーは反証されることがないが、情報量はゼロである。反証主義は科学を、より情報量の大きい言明を探求する営みとして捉える。ポパーは誰かが決定的な知識を持ちうるということを認めない。全体主義やヒストリシズム、さらには決定論への彼の批判もそのような観点からなされている。確実性が得られないとしても、懐疑主義やニヒリズムに陥ることなく、現実的な発展についての見方を提案しようとするところにポパーの魅力がある。2024/07/27

読人

4
名著。タレブの著書でたびたび取り上げられているカール・ポパーについての初級レベルの解説本。初級といっても前提知識の不足もあって一部難解な個所もあったが、全体的に解説が丁寧でわかりやすい。帰納の問題から反証主義、非決定論、三世界による個人と理論の分離、善の追求ではなく悪の排除のみを行うべき等々読みどころが豊富。最後に掲載されている12の原則も良い。人は誤るのだからお互いに誤ることを前提に考えるべき、無謬ではなく可謬をうけいれよう。2024/08/22

NAGISAN

2
学生時代に「反証可能性」「歴史主義批判」「批判的合理主義」など夢中になって読んだ。『開かれた社会・・』の新訳をされた著者が、ポパーの膨大な知識体系を網羅的にかつ分かりやすく説明されている。有名本以降のポパーをも紹介。入門するにはうらやましい本です。ポパーは経験主義と合理主義を批判し、知識の源泉は観念と経験の相互作用であり、そのバランスが重要であり、反証によって知識が成長すると言う。観念が観察の焦点を定め、観察結果が観念を反証・指示し観念を高める。このことはビッグデータの蓄積に頼るAI時代への警鐘を鳴らす。2026/01/06

ツッチャン

2
科学の反証主義を唱えた科学哲学者の解説書。それはまちがいがない。しかし、ポパーは圧倒的に、異常なほどそのわくにおさまらない。扱う領域が、科学の基礎だけではなく、古典力学、相対性理論、量子力学、進化論なども議論している。そのうえ、プラトン、マルクス、ウィトゲンシュタイン、ウィーン学団への合理的で、論理的な批判がある。そのどれもが、自らの批判的合理主義の実践だ。とてつもない広さと深み。イギリスでハイエクやタルスキと親交を深めた逸話に納得。知性・合理性を見失なう現代で、最も必要な哲学者。2025/08/14

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