内容説明
著者は公園のテントに20年以上暮らし、ほかのホームレスたちと共に生きる場をつくりながら、ジェントリフィケーションやフェミニズム、貧困などをめぐる活動をしてきた。本書では、公園や路上での生活や、ほかのホームレス女性たちとの営み、街の再開発とホームレスの追い出しなどを伝え、現代社会の風景の中の「見えているのに見えないことにされているもの」「隠されているもの」「消されたもの」について、読者に語りかける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
83
シリーズ「あいだで考える」の1冊。著者は、2003年から東京都内の公園のブルーテント村に住み、仲間と共に物々交換カフェ「エノアール」、ホームレス女性のグループ「ノラ」を主宰し活動するいちむらみさこさん。多くの人にとってホームレスには「なりたくない」と思うのがふつうだ。ホームレスがどんな生活をしているのか、想像はできても、見えるはずのホームレスを目の前にして、無関心に素通りしていく。→2025/01/10
けんとまん1007
52
ホームレスに限らず、言葉については、個人個人が持つイメージがある。それが、どこまで事実に近いのかも、その人の持つ視座や価値観などで、随分、バリエーション があると思う。そういう自分も、どうなんだろう・・・。読み進めながら、サブタイトルでもある「見えるものと見えないもののあいだ」が頭の中で大きくなってきた。見える、見えている、見ようとしないでいる。これは、いろいろな場面で当てはまること。自分の思考を、どこで止めるのか・・ということを考えた。2026/02/01
こばまり
37
『小山さんノート』に続いて新鮮な視点を与えてくれる一冊だ。筆者は同ノートワークショップにも関わっていた方。渇望の下に自らホームレスになることを選ぶ人もいる。そもそもホーム・レスなのか。流行りの「多様性」から弾き出されてしまう人々もいることに思いを致す。2025/04/10
鷺@みんさー
35
「ホームレス」のステレオタイプに一石を投じる、女性でテント村生活者の作者。ホームレスになる理由は人それぞれだが、彼女は幼い頃から理不尽な「権威・体制」に巻かれることを良しとせず、過酷な競争社会で機械の部品のように賃金労働にあくせくし、家賃のために食事を削り、「働くことが善」「生活苦は自己責任」の論調に窒息しそうになって、テント村に来た。大変だがあの頃よりずっと豊かな暮らし、と彼女は言う。貨幣のない物々交換の場、女性ホームレスの会、誰かが襲撃されたら皆で孤独にさせないように駆けつけること。2025/05/16
空猫
33
…社会人として決められた時間働き、賃金を得、社会貢献すべきである。その為に子どもの頃から競争し、上を目指して成長せねばならない。家、土地を、定職を持つ事が「普通」である。そこからはみ出した人は排除されても仕方がない…登校拒否やジェンダーレス、、、は市民権を得つつあるが、彼らは未だに「無いもの」とされている事に切り込んだエッセイ。著者はもう20年以上ホームレスだと言う。古来よりロマ(ジプシー)や各地を転々とする旅芸人は居たわけで。定住しない、家に居たくない人も居るわけで。彼らは生きているだけなのだが⋯。 2025/09/15
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