内容説明
夏の間、郊外の飛行場跡地で線香花火を灯すと、自殺した女の幽霊“サマーゴースト”が現れるという。そんな都市伝説を聞いた高校3年の友也は、自殺系サイトで知り合った高校生の涼とあおいとともに、その幽霊に会いに行く。彼らは幽霊に「死ぬって、どんな気持ちですか?」と聞いてみたかった。それを聞くべき理由があったから。しかし、彼女からは衝撃の事実を聞かされ…。10代からイラストレーターとして活動し、近年はアニメ、作詞、小説、漫画、と多彩なクリエイティビティを展開する俊英・loundraw。その初監督の劇場アニメーションを、脚本を担当した乙一がノベライズした少し不思議な夏の青春長編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
44
自殺サイトで知り合った高校生たちが、本物の死者である幽霊と出会う物語。物語の筋としては比較的おとなしめでしたが、細部の表現がうまくて読ませます。ゴーストになって夜の街を徘徊するシーンは、死者であることを忘れるくらいに楽しげで良かったです。【サマーゴースト】である絢音との交流を経て、彼らの「生きる」ということへの意識の切り替わる展開の描き方が、ものすごくうまかったです。絵を描くのが好きな友也が、勉強を強いてくる母親から絵を破くように言われるシーンが、特に強烈でした。好きなものへの心の折り方がうますぎる。2024/07/20
よっち
32
ネットを通じて知り合った高校生の友也、あおい、涼。「サマーゴースト」の噂を聞いて探すために集まった3人が、ひとりの女性の霊と出会う青春小説。自身が望む人生へなかなか踏み出せない友也、居場所を見つけられないあおい、余命宣告された涼。それぞれの事情から死に魅せられていた3人が、「サマーゴースト」に出会ったことで徐々に変わってゆく心境。物語の構図としてはわりとシンプルでしたけど、彼女のために奔走する3人の協力があって、それぞれの思いを胸に自分の思うように生きることを選択する彼らの姿がなかなか印象的な物語でした。2024/07/19
しーふぉ
27
どれだけ歳を重ねても、本を読むと高校生に戻れるのも読書の良さですね。乙一らしい死と生が隣り合わせなのに爽やかさもありとても良かった。2024/11/08
ネムコ
18
乙一さんの本+サマーゴーストという題に惹かれて購入。こんなさわやかな幽霊譚も良いですね。2024/10/13
なみ
17
自殺系サイトで知り合った3人の少年少女が、都市伝説となっていた幽霊の佐藤絢音と出会い、彼女の死体を探す話。 もっと生きたかった佐藤絢音と出会ったことにより、死にたいと考えていた友也たちにも変化が訪れ、切なくも爽やかなラストへと繋がっていきます。 死にたいというひとつの言葉にも、色々な種類があって。 それぞれが違う理由を抱えている3人ですが、お互いに尊重し合っている雰囲気がとても良かったです。2024/08/09
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