内容説明
電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。
幕末、先進技術を習得すべくイギリスに留学した若き長州藩士たちがいた。伊藤博文、井上馨、山尾庸三、井上勝、遠藤謹助の五人である。
出発点を同じくしながら、やがて有力政治家となった伊藤・井上馨と、官僚人生を全うした他の三人。
その運命を分けたものは何だったのか。
高度な専門知識により工業・鉄道・造幣の分野で活躍した山尾・井上勝・遠藤の足跡を軸に、近代国家形成期に技術官僚が果たした役割を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もえたく
16
幕末、イギリスに密航し先進技術を学ぼうとした長州藩の若者五人。いわゆる長州五傑のうち、伊藤博文、井上馨は有名政治家に、山尾庸三、井上勝、遠藤謹助は工業、鉄道、造幣分野の技術官僚に。技術官僚の先駆けとなった彼等を通して、近代国家形成時に果たした技術官僚の役割を解き明かそうと試みた新書。お雇い外国人頼みだったインフラ整備等が、彼等のような技術官僚の役割になっていったことがよく分かった気がした。2018/05/18
月をみるもの
9
著者も書いてるけど、伊藤/井上馨の話がちょっと多すぎ。まあ、そっちはそっちで面白いからいいんだけど、タイトルから言ったら、山尾・井上勝・遠藤にもっとスポットあてないと。。2018/06/16
預かりマウス
6
文久年間に渡英した長州五傑を主軸に、特に明治初期の技術官僚の創成期を解説した書。早々に帰国した伊藤博文と井上馨は政治家・元老として明治政府で重きをなすのに対して、留学を続けた井上勝、山尾庸三、遠藤謹介は高級官僚に留まったと説明されることがあるが、これは偶然の産物というよりは本人たちの志向の違いによるところが大きく、井上勝、山尾、遠藤は自らの専門分野での理想の政策を実現することには熱意はあるが、権力志向はあまりなく、元来技術官僚向きの(というより、技官の原型となったと言うべきか)人材であったことがわかった。2024/05/06
Mealla0v0
3
「長州五傑」の人物列伝、というわけではない。無論、その要素は含むが、本書は、日本の近代化の過程で、密航留学経験と専門性がどのように重要であったか、そしてどのように社会機能が専門分化していったか、ということがテーマに据えられている。理系的知識を持った官僚=技術官僚(ただし、本書の言う専門性はより広い意味合いである)は、政治闘争や派閥闘争は避け、日本の近代化をスムーズに行うことを目標としていた。この点は『通産省と日本の奇跡』に通ずる視点、つまり開発国家としての特色に思われる。2022/02/18
Book Lover Mr.Garakuta
3
図書館本:明治国家の礎を作った人々(長州5傑)の話。政治経済産業の話を国家的戦略眼で読み解く話2018/10/08
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