竹書房怪談文庫<br> 伝承異聞 呪林

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竹書房怪談文庫
伝承異聞 呪林

  • ISBN:9784801941090

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内容説明

「生きた人間の〈気〉を〈木〉に入れる」
それが儀式の目的だった…その後その人達はどうなるのだろう。
「木の話――ハーニーヌの鉄槌」より

古来より人々から畏れ崇められてきた「樹木」に纏わる怖い話!
遠く古の世より依り代として神聖視され、畏敬の念をもって人々から崇められてきた
「樹木」に纏わる怪談アンソロジー。
叔父の遺言めいた「庭の木を全部伐ってくれ」という言葉は何を意味するのか…「白い木」
久しぶりの故郷で目にした大木は全く記憶になくて…「土になれ」
休憩がてら訪れた神社、御神木の近くで話しかけてきたのは…「休憩中」
決して関わってはいけない祟りの木、ある日ひとつの疑問が湧いてきて…「折る。」
イジメを受けた女子高生が思いついたのは木に人形を打ち付ける呪いの儀式…「バルサ」

など、驚愕の怪異体験全42話!

(収録話)
蛙坂須美「顔松」「わくらばつもる」
営業のK「樹液」
月の沙漠「ドンジンボク」「首吊りの木」「御神木」
高野真「首括りの松」
夜行列車「これ多分婆ちゃんなんだよ」「シンボルツリー」「白い木」「座敷牢」
内藤駆「遺影」
松本エムザ「たけやぶばあさん」「義母の菊は口に苦し」
加藤一「お役所仕事」
松岡真事「土になれ」「ピノキオ」「真っ二つ」
若本衣織「彼方の山の話 二篇」
ホームタウン「引っ越し」「大銀杏」「赤地蔵」
渡部正和「形見」
神沼三平太「緑の光」「休憩中」「柳」「樹洞」「庭の木」「土中の丸太」「姉妹牡丹」
服部義史「十月十日」「似ている二人」
つくね乱蔵「折る。」「小さな花が咲いた」「フリージア兄さん」「執念深い蔦」
久田樹生「戒め」「材」「バルサ」「先触れ」「木の話 ――黒部老とお山」「木の話 ――ハーニーヌの鉄槌」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

52
実話怪談集。本書は木をテーマにした競作集となっている。アンソロジーらしくそれぞれの出来不出来はあるものの、総じてテーマがテーマだけに落ち着いた雰囲気の作品が多かったように感じられる。印象に残ったのはカルトに重点を置いた「木の話――ハーニーヌの鉄槌」。木の怪異というより人間の悍ましさを前面に出してきた感じ。他にもイジメの復讐を描いた「バルサ」や怖さより世知辛さが感じられた「お役所仕事」等が記憶に残るかな。テーマらしく御神木を扱った作品も多く、民話じみた話も多い。アンソロジーの良い面が前面に出た本でした。2024/09/17

eyemu

12
書き手の個性が良くも悪くも反映した本でした。 物語テイストな書き手さんもいれば、実話怪談テイストな書き手さんもいて。 なんとなく、とっちらかった印象でした。 あと。 林が身近にないので、ちょっと遠い印象でした。2024/10/20

柊よつか

11
樹木にまつわる実話怪談集。16名の書き手によるアンソロジー形式。御神木や丑の刻参りなど、聖邪どちらとも関わる樹木は怪談との相性がいいと思う。言語のない、無言で濃密な圧力。そのイメージを感じられる話が多く面白かった。特に印象的な話は、「これ多分婆ちゃんなんだよ」「座敷牢」「形見」「似ている二人」「十月十日」「バルサ」など。炎と樹木の何がしか同士で解決を見る「緑の光」は好みの話。ラスト二話「黒部老とお山」「ハーニーヌの鉄槌」は、久田さんの筆致と稀有な内容が合致して読み応えがあり、結末には無言の溜息が出た。2024/09/14

qoop

9
樹木にまつわる実話怪談集。これまで読んできた実話怪談から察するにこのテーマは相当エグそうだと予想したが、大当たり。幽霊、妖怪、神仏など、異形の守備範囲が広い上、祟り、因縁、理解不能な異常性など怪異の由来も多種多様。解消されない不条理感をあとに残す作品が多いと感じた。2024/09/03

tow

8
久田樹生さんのが、ラストのが一番面白かった一冊。ホラーとカルトの合わせ技に圧倒された。2024/09/20

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