内容説明
エラリイ・クイーンも太鼓判!
ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場!
不敗の弁護士エイレングラフは言う、
「私の報酬は法外ですが、有罪になったら一銭も支払わなくて結構。でもあなたが無罪放免となったなら、もし私が何もしなかったように見えても、必ず報酬を支払っていただきます」
そして依頼人は 必 ず 、無罪となる。たとえ真犯人であっても!
エラリイ・クイーンが大いに気に入って雑誌に掲載した第一作「エイレングラフの弁護」から38年。アメリカン・ミステリーの巨匠ブロック(『八百万の死にざま』『殺し屋』)がじっくり書き継いだシリーズ短編を完全収録。本邦初訳の作品もふくむ全12編。これぞ珠玉。ブラック・ユーモアとヒネリとキレが絶妙にブレンドされた短編ミステリー集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
164
弁護士としてのエイレングラフのやり方は、どうしても古美門研介を連想する。あれほど人格破綻的で傲慢な部分はないが、裁判に勝つためなら手段を選ばないところはそっくり。しかも起訴前にいつの間にか被告は無実であり、別の真犯人がいたことになっているのだから恐怖すら漂わせる凄腕ぶりだ。依頼人が約束を破ると無実の罪(?)を着せたり、据え膳は遠慮なくいただくなど正義の味方らしさはかけらもない強烈なキャラが際立っている。長年月かけて書かれたのでパターン化は否めないが、作者が気が乗った時に楽しんで書いているのが伝わってくる。2024/11/24
KAZOO
122
ローレンス・ブロックは好みの作家で、私立探偵マット・スカダーや殺し屋ケラーなどのシリーズをほとんど読んできているのですが、このような作品があるとは思いませんでした。12の連作短篇シリーズで弁護士というか裏家業の人物が主役になっています。法廷に入る前にその容疑者の嫌疑を晴らしていくのですが、その手段が肝なのでしょう。各短篇の前には様ざまな作家の文章が掲載されているのが楽しめました。後半は若干食傷気味になりました。2024/10/12
遥かなる想い
91
2025年このミス海外第6位。 悪徳弁護士エイレングラフの短編集である。 無罪を勝ちとるためには 手段を選ばない冷徹さが まさに心地良い。 法廷に立たずして、無罪釈放となるお決まりの パターンが 続くが、短編集には 程よい 安定感がある。 2025/02/24
タツ フカガワ
79
依頼人はすべて無罪にする、負け知らずの弁護士エイレングラフ。何ともユニークな弁護士が扱う12の殺人事件からなる短編集で、第一話からエイレングラフの手法にあ然としながら引き込まれました。ハードボイルドなアル中探偵マット・スカダー・シリーズ以来久しぶりのL・ブロックでしたが、本作の軽妙洒脱な語り口もいいですね。1976~2014年に書かれた短編で、ブラックな味わいのある初期の作品が面白かった。2025/01/17
stobe1904
64
【依頼人を無罪にする弁護士】ユニークなキャラ作りで定評ある巨匠ローレンス・ブロックの短編集。法外な弁護料は有罪の場合は請求せず、無罪の場合は必ず払ってもらう、といったユニークな方針で、依頼人全てを無罪にしてしまう弁護士エイレングラフ。裁判まで進むことなく、新たな証拠や犯人が見つかり依頼人は釈放されることになる…。殺し屋ケラーに続くダークヒーローの誕生がとてもうれしい。70年代から書き継がれてきた短編集だが、古さは感じない。多作な著者だが、第2弾が読めることを切に願う。★★★★☆2024/11/25
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