ウィーン1938年 最後の日々 - オーストリア併合と芸術都市の抵抗

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ウィーン1938年 最後の日々 - オーストリア併合と芸術都市の抵抗

  • 著者名:高橋義彦【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 慶應義塾大学出版会(2024/09発売)
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  • ISBN:9784766429725

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内容説明

フロイト、カネッティ、ウィトゲンシュタイン一家に迫る危機

1938年2月、ヒトラーの山荘ではオーストリア首相シュシュニクとの緊迫したやりとりが行われていた。

その後の、オーストリア独立を問う国民投票の挫折とナチスによる武力侵攻……。

ナチス・ドイツによる侵攻により、ウィーンの芸術文化はどのようにして崩壊していったのか。
独立を守ろうとする首相たちや、文化人や芸術家の抵抗や亡命を軸に、芸術都市ウィーンの緊迫した日々を描く注目作。

目次

序章 一九三八年の「輪舞」  
第一章 オーストリア併合への道  
 一 ハプスブルク帝国からシュシュニク政権まで 
 二 ベルヒテスガーデン会談
 三 シュシュニクの抵抗  
第二章 併合(前夜の芸術家たち  
 一 ワルターとオペラ『ダリボル』  
 二 ヴェルフェル夫妻の愛憎  
 三 カネッティ夫妻の精神不安  
第三章 オーストリアの一番長い日  
第四章 ヒトラーのウィーン  
 一 挫折の街  
 二 勝利の街  
 三 暗黒の街 
第五章 ヒトラー支配下の文化生活  
 一 フロイト一家の脱出  
 二 ウィトゲンシュタイン家の姉弟喧嘩  
 三 ヴェルフェル夫妻のピレネー越え 
終章 それぞれの一九四五年  
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

12
ナチス・ドイツによるオーストリア併合の顛末を描いた一冊。著者は「輪舞」を掲げ、単なる事実の羅列ではなくアンシュルスに関わった政治家、それに影響された文化人らの視点を巧みに交えることで、群像劇としても読める内容になっている。併合を避けようと奮闘する者、ナチスの下でもオーストリアの自律を信じる者、そして正常性バイアスから逃げ遅れる者。危機を前にした人間模様は面白く、必要以上に重くならない著者の筆致も良い。ナチスの最初の被害者にして共犯者でもあるオーストリアの転換点をよく理解できる良書。2025/04/02

省事

5
1938年のナチス・ドイツによるオーストリア併合(アンシュルス)の展開と、その瞬間のウィーンの政治家、芸術家たちの人間関係の連なりを「輪舞」をモチーフに描いた読み物。生真面目なシュシュニク首相を軸に、彼が直面したアンシュルスへの政治過程、彼とも面識あるワルター、フロイト、カネッティ、アルマ・マーラー(グスタフ・マーラー未亡人)、ヴィトゲンシュタイン一家らの様子がパラレルに描かれる。ある章のタイトルでもある「オーストリアの一番長い日」が活き活きと描かれた、政治史かつ群像劇として楽しめる一冊。2024/11/15

kentake

1
ウィーンは長く欧州の文化と芸術の中心として栄えていたが、ドイツによるオーストリア併合(アンシュルス)により状況は一変する。 ユダヤ人が多かったウィーンの文化人の多くは、国外脱出にも苦労し、ナチスの犠牲になった人も多い。 本書では、多くの証言や記録をもとに、国外脱出時の緊迫感が再現されている。 アンシュルスを推進したのはヒトラーの政策を受入れたオーストリア人自身であるが、大戦後にオーストリアの一体感を生み出したのも、愛国心によりヒトラーの犠牲者という資格を得た彼ら自身である、という考察には考えさせられた。2025/11/03

Go Extreme

1
1938年の輪舞: ウィーンーアルトゥア・シュニッツラー戯曲『輪舞』 アンシュルス オーストリア併合への道:  ハプスブルク帝国→シュシュニク政権 ベルヒテスガーデン会談 シュシュニクの抵抗 併合前夜の芸術家たち: ワルターとオペラ『ダリボル』 ヴェルフェル夫妻の愛憎 カネッティ夫妻の精神不安 オーストリアの一番長い日: ヒトラーのウィーン: 挫折の街 勝利の街 暗黒の街 ヒトラー支配下の文化生活: フロイト一家の脱出 ウィトゲンシュタイン家の姉弟喧嘩 ヴェルフェル夫妻のピレネー越え それぞれの一九四五年2024/09/11

読書初心者

0
この手の本にしては珍しく、私のような者にも読みやすい筆致で進んでいくためスラスラと読めてしまう。ウィーン、アンシュルスを起点として様々な政治家・文化人の当時の思いがありありと目の前に立ち上がってくる、まるでフィクションのような、群像劇的なドラマチック。思わず笑いが溢れるような記述もあって、見事な一冊でした。2026/07/12

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