岩波新書<br> 新自由主義と教育改革 大阪から問う

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岩波新書
新自由主義と教育改革 大阪から問う

  • 著者名:髙田一宏
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 岩波書店(2024/08発売)
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  • ISBN:9784004320296

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内容説明

欧米を中心に一九八〇年代以降,台頭した新自由主義の教育改革.競争原理や成果主義を主軸とする改革は,公教育の衰退など様々な弊害を生んだ.国内外で見直しも進むなか,大阪の改革は勢いを増す.学力による子ども・学校の選別,教員への管理強化などの政策がもたらした問題を丹念に検証し,いま改めて教育の意味を問う.

目次

序──検証なき改革を検証するために
第1章 新自由主義的教育改革の潮流──歴史を振り返る
1 新自由主義的教育改革の系譜
2 日本の新自由主義的教育改革──二〇〇〇年代以降の政策転換
3 大阪の教育改革を検証する意義
第2章 大阪の教育改革を振り返る──政治主導による政策の転換
1 教育改革の幕開け──府民討論会の開催
2 改革を支える思想とは
3 改革以前の大阪の教育──人権・同和教育の歴史に学ぶ
4 教育政策の大転換
第3章 公正重視から卓越性重視へ──学力政策はどう変わったか
1 教育課題としての学力問題
2 前のめりな学力向上政策
3 学力テストは教育現場に何をもたらしたか
第4章 格差の拡大と地域の分断──小・中学校の学校選択制
1 学校選択制の歴史と現状
2 大阪市の学校選択制──全国的な流れに反して
3 学校選択制はいま──広がる格差と地域の分断
第5章 高校の淘汰と進路保障の危機──入試制度改革と再編整備
1 人権保障としての進路保障
2 淘汰される高校、狭められる進路
3 チャレンジテストは中学校教育にどう影響したか
第6章 改革は成果を上げたのか──新自由主義的教育改革の帰結
1 教育課題は克服されたか──子どもたちの現実
2 保護者と学校は改革をどうみているか
3 検証なき改革の果てに
第7章 新自由主義的教育改革に対抗するために
1 子どもたちの現実に向き合う──応答性の意味
2 子どもの育ちは目的か手段か
3 教育改革の展望
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

17
6頁。政治主導の教育政策は「新自由主義」の考え方に強い影響を受けている。教育における新自由主義とは、教育に市場原理を取り入れ、子どもや保護者による教育の選択を促し、教師や学校同士の競争を促すことによって、できるだけ安上がりに教育の質を向上させようという考え方である。海外では、新自由主義的改革が教育機会の格差や社会的不平等を拡大したことが明らかになっている。格差が広がってバラバラになりそうな社会をまとめるために保守的な思想が台頭し、多様な他者との共存・共生が軽視されるようになったとの指摘もある。2025/10/18

江口 浩平@教育委員会

9
【教育】オーディブルにて聴了。大阪にある政令指定都市で指導主事をしているにも関わらず、大阪の教育改革についてあまりよく知らなかったというのが聴いてみての感想だった。新自由主義の教育改革を全国に先駆けて行った代償は大きかったように感じたが、私立も含めた高等学校までの無償可など、大阪で子育てをする保護者にとってはプラスとなる面もある。これからは教員不足を解消するためにどうするか、教育に馴染まない評価制度をどう改めていくか、大阪が全国に範を示していけたらと思っている。2024/12/18

Riopapa

5
大阪の教育というものは全く考えたことが無かったが、こうしてみると日本の教育自体が新自由主義の方に向かっているということが分かる。2024/09/02

K

4
大阪府で実施された「検証なき改革」の検証。教育の影響と、未来への展望について。自由主義がどう教育に影響するか、大阪維新の会の改革(なのか?)について等2025/02/12

アカショウビン

4
サッチャーの改革など見ながら、私は新自由主義を受容してきてしまった。しかしまさか大阪で教育がこのような状況にあったとは知らなかった。登場する橋本氏は、あたかもトランプ氏のようで、支持者を熱狂させて喜ばせるが、長期的には教育ばかりでなく、社会を破壊しているように思われた。教育に市場原理を入れ、子供・保護者(消費者)の選択を促し、教師・学校の競争を促し安上がりに質の向上を目指す。結果は本書に書いてあるが、最近顕著になった教員になり手がいなくなる状況が、何よりも新自由主義の敗北を示しているのではないか。2024/12/27

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