内容説明
純文学×異世界転生=前代未聞の冒険小説
自分の本当の居場所はここじゃない。
自分にはもっとふさわしい世界がある。
そう思っている方は、転職、転校、移住もいいけど、
思い切って転生!
ある夜、横溝時雨が町中華で再会した中学時代の旧友・三浦杜子春は、自分を「子どもの国」バルナランドからの転生者だと語った。
半信半疑で杜子春に関わるうち、時雨は新橋の雑居ビルを拠点にひそかに活動する「転生者支援センター」にたどりつき、想像を絶する冒険が始まる――
ライトノベル的想像力の彼方へ読者を運ぶ本格S F長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
152
島田 雅彦は、デビュー以来40年に渡って読んでいる作家です。本書の設定と、前半は面白かったのですが、後半は失速、トーンダウンした感じでした。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163918891 9月は、本書で読了です。 2024/09/30
☆よいこ
77
異世界転生ラノベは好物ですがコレジャナイ感。「異世界転生」と題した本格SF(サイエンスファンタジー)時空間移動もの▽横溝時雨(しぐれ)は昔の転校生、三浦杜子春(とししゅん)と偶然再会し付き合う。杜子春は「転生者」で異次元で死んで現世に意識だけ飛ばされ今の肉体に入りこんだという。同じように異次元からの転生者は過去から多く渡来していた。杜子春が突然失踪し、時雨は「転生者支援センター」で働きだす▽システムの説明が多く、個々のストーリーは多くは語られない。筋は壮大だが結局は個人の欲望かな。純文ぽい。2024.8刊2024/10/21
TATA
40
島田雅彦さんが異次元転生をテーマにするとどうなるのか。筒井さんが書いたみたいなラノベになるのかと思いきや、なんだろうこの作品。転生のメカニズムは理解したのだけど、結局何が言いたかったのかと言えば、資本主義をアンチテーゼにということかなあ。その意味では島田さん的な作品だったのかもしれませんね。2024/11/29
えも
35
今まで偶然に左右されていた異世界転生が意図的にできるようになった!▼島田さんって、優しいサヨクを昔読んだ程度だけど、こんな話を書く人なんだっけ?▼転生技術で利権を得ようとする資産家。戦争目前の現世に絶望し、異世界に亡命する民衆。何度も転生を繰り返し、そのたびに人格が増加して認知症状を引き起こす転生者。転生というキーワードを用いてディストピアを描き、現実世界を皮肉っているようにも読める▼なかなか楽しい読書でしたが、これだけ風呂敷を広げておいてさ、ラストシーンは置いてけぼり感マシマシだよね。2024/10/19
Mc6ρ助
19
『私は資本を神として崇め、利益追求に徹してきたが、それ以外にやることがなかっただけのこと。君たちは私を逆恨みしているかもしれないが、資本主義に奉仕することが罪であるならば、その罪を免れる者は皆無だ。 商品を値切ったことのある者、「働かざる者食うべからず」と思っている者は全員共犯者である。(p253)』自ら働かずに「資本」に働かせているのが資本家、「見えざる手」と称して手前勝手なルールを押しつけるのが新自由主義者ではなかったか。島田雅彦さん、「転生」をSFの様式に従わせすぎてストーリーを殺したかも知れない。2025/03/15
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