角川文庫<br> 新訳 ドリアン・グレイの肖像

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角川文庫
新訳 ドリアン・グレイの肖像

  • 著者名:オスカー・ワイルド【著】/河合祥一郎【訳】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • KADOKAWA(2024/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041141977

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内容説明

The Picture of Dorian Gray by Oscar Wilde, 1891

「新訳の光に照らされて、生身のドリアンがそこに立っている!
紫水晶色の瞳、緋色の唇から、いま生きた言葉がこぼれだす。
名優によって役が飛翔するように、名訳は原作を解き放つ。」(鴻巣友季子)

130年前の作品なのに、めちゃくちゃ面白い
最新研究を反映した決定版!異端の名作を、最高に読みやすい新訳で!

純真な青年ドリアンは天使のような美貌を買われ、肖像画のモデルになる。それは素晴らしい出来になるが、快楽主義者ヘンリー卿に若さが有限だと気づかされ絶望。「永遠に若いのが僕で、年をとるのがこの絵なら、魂だって差し出す!」以来、青年に代わり、絵が年老いていく。誰かを裏切れば絵は醜く歪み、破滅させれば邪悪に黒ずむ。××すれば…。現実と虚構、同性愛の記号が交差する異端の名作。徹底解説91P。最新研究を反映した新訳!

●他社と違う! 河合訳のここがポイント
ポイント(1) どの先行訳よりも読みやすく、面白く、原文の意味を忠実に伝える新訳。
ポイント(2) 最新研究に基づき、ワイルドの思想とテーマを明快に提示。
ポイント(3) 作品の時代背景や芸術観がわかる、読解に必須の訳注が47Pも掲載!
ポイント(4) ワイルドを破滅させた同性愛裁判を詳説する訳者あとがきも44P掲載!
※ポイント(1)(2)について、詳しくは「訳者あとがき」を参照


目次
ドリアン・グレイの肖像
訳注
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

41
最初に読んだのは中学生の頃、ジュニア版。20代に岩波文庫の訳を読み、今回で3回目になります。新刊コーナーで見つけたこの本を読む気になったのは、膨大な訳注に興奮したから。これは理解の助けになります。膨大な詩や文学からの引用と思われる分を丹念に拾ってもらったことで、よりディープにこの美の探究者が言いたかったこと、言えないけれどわかる人のために記したことに気づけた気がします。訳者の後書きも素晴らしい。ただ、いつも思うんだけど、この小説は谷崎か三島の文体で読んでみたいんですよね~…。2024/09/28

Shun

39
この新訳版では読み易さに加え訳注が豊富。当時流行していた衣装や小物といった実に細部までかなりの訳注が掲載されている為、作品を細部まで楽しめます。絶世の美貌を持つ青年の肖像画が完成し、それを観た紳士の美と若さを褒め称える言葉は逆に青年にとって絶望となった。彼の悪魔に魂を売るような祈りが叶ってしまったのだろうか、肖像画は彼の老いや邪悪さを引き受けるかように醜く歪んでいくのだった。これが130年前の作品とは驚きです。そして実生活で何かとスキャンダラスだった作者オスカー・ワイルドの名作はこんなにも面白い。2024/09/11

特盛

30
評価3.4/5。絶世の美貌の少年ドリアングレイは、その姿を肖像画に描かれたことで人生が一変する。本人は年を取らず、絵の中の彼だけが年齢を重ねる様になる。人を傷つけながら、自由奔放に心のままに生きた結果は恐ろしい結末に。なんとも、「世にも奇妙な物語」的なホラージャンルの小説だ。作品から感じた全体メッセージのトーンとしては自由気儘な個人主義的世界観を批判して秩序を擁護している印象。その意味で全然違うジャンル小説だけど、漱石の虞美人草に出てくる美女、藤尾の結末をちょっと思い出した。ガーディアン1000作品2025/11/14

❁Lei❁

22
こんなに面白い作品が世の中にあったなんて! 美少年のドリアンは、肖像画の完成にともなって若さのすばらしさを知り、老いゆく自らの運命を嘆きます。するとアラ不思議、なんと肖像画が歳を取り、ドリアン本人は無垢な少年のままの若さを永遠に保つことになったのでした。まるで知恵のりんごを食べてしまったイヴのようですが、彼は楽園を追放されません。若さに溺れ、美貌に慢心し、美しいものを求めて退廃的な世界に迷い込んでいきます。そこに待つのは、快楽と堕落への甘い誘惑……。禁忌なのに手を触れたくなってしまう麻薬のような本でした。2024/09/13

Kanako

19
絶世の美貌を失いたくないがために、あらゆるものを傷つけ、堕落し、破滅への道へと進んでいくドリアン・グレイ。登場人物みんな、もっと肩の力抜いて〜と声を掛けたくなる。どんなものに代えても守りたい美学やプライドがあるのだろうと思うけれど、当時のイギリスの上流階級の生活が浮世離れしていて、社交界の話や芸術や美学ばかり語られるので、ピンとこない部分も大いにあった。2025/03/23

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