中公新書<br> 西郷従道―維新革命を追求した最強の「弟」

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中公新書
西郷従道―維新革命を追求した最強の「弟」

  • 著者名:小川原正道【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2024/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121028167

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内容説明

幕末期、兄隆盛・大久保利通のもと尊攘派志士として活躍した従道。20代半ばで欧州視察後、台湾出兵では派遣軍トップとして制圧。西南戦争では、国家建設を優先し陸軍卿代理として、叛乱軍指導者の兄と敵対。隆盛自刃後、謹慎する。天皇に請われ復職後は海相を長期間務め、日清戦争時には陸海相兼務など軍事的指導者、さらに元老として政府中枢を担った。最晩年まで首相待望論があったが、「賊将の弟」と固辞し続けた志士の生涯。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

78
高校の歴史教科書ではほぼ台湾出兵のことしか具体的な内容が記載されず、後は元老に名を連ねた位で、「隆盛の弟」というイメージが強かったが、明治の国家形成期に軍や産業の整備に努めていたこと、そして晩年には人々の生活向上に意を用いていたことなど、その独自の人物像を得ることができた。責任は自分で負いながら実務は部下に任せ、また自らは何度か望まれた首相就任を断っていたとか。「調整者」という死去当時の世評がまさに的確だったのだろう。言ってみれば親分肌でありながら、決して権力欲などに溺れることはなかったというあたりか。2024/09/14

yamatoshiuruhashi

57
維新の大立者、英傑にして大反逆者となった西郷隆盛の実弟、従道。彼は西南の役には鹿児島に与せず、新政府を支持し兄と対峙することになるのだが、その本質はどこにあったか。隆盛の薫陶を受けた弟がいかに日本を近代国家たらしめ列強に伍するを期したか。偉大な兄をもち、複雑なその心境と日本近現代史への大きな影響をわかりやすく紐解いてくれる著。2025/02/27

みこ

32
西郷隆盛の弟として知られるが、逆にそれ以上の認識が広がっていない人物の印象だった。しかし、明治期には何度か総理候補なりつつも、反逆者の身内である十字架を抱えて近代日本に尽くしてきた。彼自身も隆盛同様に情の人であり、調整役として買われていたのもうなずける。仮に大久保が暗殺されなくてもここまで闇を抱えて生きていかなかったのだろう。創作物でも読んでみたいという興味が芽生えた。2024/10/03

kk

32
図書館本。明治元老の一人、西郷従道の事績と人物像を紹介する評伝。まとまった一次史料の不在という制約の下、各処に散在する書簡や同時代的報道等を拾い集めて丹念に読み込むことにより、この卓越した人物一代の歩みを鮮やかに描き切る。実証的に吟味された事実関係に、著者自身の西郷像が程よく溶け込むことにより、読み物としても出色の出来栄え。内容的に興味を覚えたのは、西郷による国民の政治参加や社会改良への問題意識、そして改正条約の施行に向けた宗教間関係調整のための努力など。明治ナイスガイとしての真面目が生き生きと蘇る。2024/08/28

29
2024年8月。読みは「じゅうどう」。兄の「隆盛」にしても、維新後、位階を授けられる際に親友の吉井友実が誤って父親の名を届け出たそうで当時の名は隆永だった由。弟の方も薩摩訛りで「隆興(りゅうこう)」と伝えたところ、「じゅうどう」と聞き間違えられて「従道」と当て字されたとか。紙に書いたり後から直したりはしないのか■有名なキヨソネによる隆盛像は上半分が従道、下半分がいとこの大山巌がモデルとされる(隆盛の写真は見つかっていない■山本権兵衛を「日本海軍のオーナー」と評したのは司馬遼太郎だが、山本や斎藤実を(続く2024/12/31

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