内容説明
「あなたの人生に名シーンは、ありますか」。
記憶を失って天国を訪れた小野田。自分は死んだのだと悟った彼は、天国映画館の支配人・秋山に誘われ、一緒に働くことになる。
天国から新たな世界へ旅立つ人の人生を上映するこの映画館で、様々な人生を観るうちに、小野田の記憶と心に変化が訪れてゆく。
そして、自分の人生の映画フィルムが、ついに届いた。
その映画は、彼自身はもちろん、観客たち誰もが思いもよらぬ人生で――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
191
王様のブランチ、BOOKコーナーで紹介されたので読みました。清水 晴木、初読です。 本書は、天国ファンタジー映画館連作短編集の佳作でした。 自らの人生のダイジェスト・ムービーを観たいか観たくないかは微妙です。ニュー・シネマ・パラダイスは、大好きな映画、このレビューは、<愛のテーマ>を聴きながら書きました♪ https://www.youtube.com/watch?v=82FA2ySRxu8 https://www.chuko.co.jp/special/tengokueigakan/2025/01/26
旅するランナー
171
天国にある映画館。そこでは、死者の人生の名シーンが映画として上映される。人にはそれぞれ映画のような人生がある。これから先何が起こるか分からないから面白い。人生も映画もネタバレ厳禁。もちろん「ニュー·シネマ·パラダイス」も引用される。小説もネタバレ無しで。2025/02/10
シナモン
111
とても良かった。命を終えたあと、こんな世界が待っていると思うとちょっと嬉しい。人生は映画と同じで最後まで何があるか分からない。自分なりの名シーンが作れるようにこれからの日々を生きていこう。心温まる素敵な一冊だった。 2024/09/30
おしゃべりメガネ
102
作者さんの十八番ともいえる生命のお話。清水さんならではの作風で読みやすく、すんなりと入っていけるのですが、やはりどうしても『さよならの~』での世界観がずっと残ってしまい、新鮮さはちょっと物足りなかったかなと。既視感みたいのがずっとアタマの片隅にあり、天国にある映画館を舞台に実際にある作品とをリンクさせた構成は、とても印象的でした。その中でも特に推されてるのが『ニュー・シネマ・パラダイス』で恥ずかしながら自分自身もまだ観たことがなく、これを機に是非観なくてはと。悔いのない人生を大切に過ごしていきたいですね。2024/10/07
ぼっちゃん
54
記憶を失って天国に来た主人公は天国映画館で働くことに、その映画館は天国に来た人に自分の人生の映画を見せ次のステージへ旅立だたせる、主人公にはどような映画が待っていたのか。。特に激動の人生でもなく平凡に普通に過ごしてきた人の話があったが、私もこの人タイプで人生の名シーンはないかな。これからの残りの人生で名シーンができるのだろうか。。2024/09/14