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内容説明
「選ぶ側にとっての望ましさ」から「市場と競争」を考えよう!「不完全競争の経済学」の視点から、科学テクノロジーの進展によって規定される市場と競争のあり方を歴史的・理論的に位置づける。デジタル時代における競争政策の理念型を明快に提示する意欲作。
目次
はじめに
デジタル社会30年史/経済学の視点
第1章 市場とは何か、競争とは何か
「市場」の歴史
「プラットフォームの経済学」の着眼点
「競争」をどのような視点から捉えるべきなのか
本書の狙い
本書の概要
第2章 プラットフォームという怪物が徘徊する世界
デジタル経済の到来
プラットフォームとは
図で見るデジタル経済の現況
楽観論から慎重論への展開
ブロックチェーンの仕組みとプラットフォーム
デジタル経済の時代における日本の立ち遅れ
コラム 「プラットフォーム」なのか、「プラットホーム」なのか?
第3章 20世紀までの市場と競争──不完全競争を概念的に理解する
新科目「公共」の教科書が説明する市場機能
需要曲線(消費者サイド)
限界費用曲線(企業サイド)
完全競争価格とは
企業サイドの「規模の経済性」とは
「自然な」マークアップ・「作為的な」マークアップ
二、三の注意点
コラム パレート改善?
第4章 「生産・出荷集中度調査」の活用
──不完全競争を実態から理解する
高校の教科書における市場集中度
「生産・出荷集中度調査」とは
「集中度調査」データの有用性
高校の教科書における「デジタル経済」の扱い
次章への橋渡し
コラム トマス・モアと寡占
第5章 駆動を始めたデジタル経済
──「消費外部性」への着目
消費者サイドの「規模の経済性」とは
デジタル・プラットフォーム誕生の前夜──「ネットワーク効果」への注目
ベッカー論文との出会い──筆者の研究活動の原点
価格差別とは
消費外部性下の価格差別
分析から得られた新しい視点
モジュール化とは
「ネットワークの経済学」から「プラットフォームの経済学」へ
コラム 安達モデル
第6章 「プラットフォームの経済学」の黎明
「プラットフォームの経済学」の勃興を横目に見る
プラットフォームにおける料金設定問題
「鶏が先か卵が先か」問題
プラットフォーム・ビジネスの定着に伴って顕在化してきた問題点
「プラットフォームの経済学」の第2世代へ
コラム アームストロング・モデルとロシェ=ティロール・モデル
第7章 プラットフォームと出店者間の「交渉」という様相
市場における交渉
プラットフォーム事業者と販売事業者関係における交渉的要素
概念的理解
対デジタル・プラットフォーム交渉の心得
複数プラットフォームの状況では?
分析の意味づけ
コラム 安達=トレンブリィ・モデル
第8章 複数プラットフォーム間の「競争」という様相
マルチ・ホーミングとは
クールノー競争とは
マルチ・ホーミングをクールノー競争で考える
プラットフォーム合併や新規プラットフォームの参入について
コラム クールノーとベルトラン
補論 安達=佐藤=トレンブリィ・モデル
第9章 21世紀からの市場と競争を考える
──自然なマークアップと作為的なマークアップの見極めという視点
自己優遇問題
優越的地位の濫用に対する規制・再考
競争政策とは(1)──概念的整理
競争政策とは(2)──図を用いた理解
経済分析の役割
データ整備の必要性
ほか