教育とケアへのホリスティック・アプローチ - 共生/癒し/全体性

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教育とケアへのホリスティック・アプローチ - 共生/癒し/全体性

  • 著者名:吉田敦彦/河野桃子/孫美幸
  • 価格 ¥4,950(本体¥4,500)
  • 勁草書房(2024/09発売)
  • ポイント 45pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326251766

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内容説明

「ホリスティック」(holistic)は、whole、heal、holyなどに共通するギリシア語holosを語源とし、一般に「全体的/包括的/総体的/全体論的」といった訳が充てられる。本書はホリスティック思想を歴史的に繙き解説しつつ、ホリスティック教育研究の現在地を多様な執筆陣が考察する。

目次

はじめに[孫 美幸]

第1章 ホリスティック・アプローチとは何か――定義,理論モデル,人類史的意義[吉田敦彦]
 1.はじめに
 2.「ホリスティック holistic」の定義
 3.「ホリスティック・アプローチ」の6つの理論モデルと研究事例
 4.ホリスティックな探究の人類史的意義

 I 共生/ESD/多文化

第2章 教育の人類中心主義を問い直す――再想像力ではぐくむ惑星意識[永田佳之]
 1.教育の人類中心主義
 2.開発至上主義のトーンダウン
 3.再想像の位相へ

第3章 コモナリティから考えるホールスクール・アプローチ――社会変容をもたらす「共」のふるまい[曽我幸代]
 1.はじめに
 2.変容をもたらすホールスクール・アプローチ
 3.コモナリティ―「共」のふるまい
 4.ホールスクール・アプローチにみるコモナリティ
 5.おわりに―社会変容をもたらすために

第4章 ホリスティックな多文化共生教育――脱植民地化の視点から考える[孫 美幸]
 1.はじめに
 2.日本のホリスティック教育と植民地主義
 3.SDGsの理念から考える多文化共生教育の脱植民地化――2000年代からの議論をアップデートするには?
 4.新たな多文化共生教育実践へ――排除の構造を見極め,土着性を大切にし,行動につなげる学び
 5.おわりに

 II 癒し/対話/超越性

第5章 対話主義は何を恢復するか――水平方向および垂直方向のポリフォニーの観点から[池田華子]
 1.はじめに
 2.二種類のポリフォニー
 3.人間経験の水平方向と垂直方向
 4.現代における対話への期待とその課題
 5.おわりに―対話主義は何を恢復するか

第6章 「癒すこと」としての教育と調和――シュタイナー教育思想における「健康」概念に着目して[河野桃子]
 1.はじめに―調和に向かう「教育/ケア」の系譜
 2.シュタイナーによる「癒すこと」としての教育観
 3.「癒すこと」としての教育観がもつ危うさ
 4.同時代の「健康熱」とそれに対するシュタイナーの批判
 5.教育実践のなかの「癒すこと」
 6.おわりに―「癒すこと」の視点から見た「教育/ケア」の探求へ

第7章 多様性の受容における超越性の意義――Ch.テイラーからみたR.シュタイナーの地平論[奥本陽子]
 1.はじめに
 2.テイラーの地平論
 3.シュタイナーの地平論
 4.おわりに

 III 全体性/国家/平和

第8章 「全体性」という困難――エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』を中心に[森岡次郎]
 1.はじめに――「全体性」には「外部」がない
 2.「近代」とホリスティック――室井麗子による批判的検討を手がかりに
 3.「全体性を志向する私」という様態
 4.「無限を志向する私」
 5.語り得ないものを語り尽くさないために

第9章 教師が国家という「全体」と向き合うための一つのレッスン――戦中の木村素衞による「意味の争奪戦」の戦い方[西村拓生]
 1.はじめに―国家という「全体」と教育の問い方
 2.なぜ木村素衞か―国民教育論の文脈
 3.『国家に於ける文化と教育』の構成
 4.「国民」の教育,国家と教師
 5.おわりに―「意味の争奪戦」のアクチュアリティ

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