内容説明
ウクライナ侵攻を機に核使用をちらつかせるロシア、核弾頭を倍増させる中国、核大国アメリカの混迷、そして形骸化が進むNPT(核不拡散条約)体制。混沌とした核情勢に出口はあるのか。外交の最前線を長年取材してきたジャーナリストによる迫真のレポート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
14
米露がかつて覇権を握るために軍拡競争に挑み、その果てに世界に大量に産み落とされた核兵器。それが未だに世界に深刻な影響を与えていることを膨大な取材からつまびらかにする一冊。先日のロシアのICBMの発射でもそうだが、冷戦構造というものが、人間の軍事技術が必要以上に発展させ、そして、その処理にいまだに苦しめられていることがよく分かる。日本での核問題といえば今までメジャーだったのは北朝鮮のみだったけど、→2024/12/22
Yasuhisa Ogura
1
ロシアによるウクライナ侵略を踏まえて、現代の核問題を取り扱ったもの。ソ連崩壊で世界3位の核大国になったウクライナが、核兵器を放棄したブタペスト覚書きの交渉過程は非常に興味深い。安全が保証されないにもかかわらず核兵器を放棄させた背景には、なんとしても核軍縮条約を発効させたいが、なんとしても安全を保証するというリスクを避けたいという米国の都合の良い思惑が存在してたのである。しかし、このような一方的に不利と思われる覚書きの裏には、本書には書かれていないような様々な取引が行われていたことは想像に難くない。2025/04/23
Oki
1
周到に、悪魔のようにずるがしこく政治的な反対勢力を消去していくプロセスを 推し進めてきた独裁者二人が、今、核の発射ボタンを握っているとは何ともはや。 2025/03/28
KW
0
ソ連崩壊(1991年)でウクライナ領内に「約5000発の核弾頭」が残ったが、「核のボタンはロシアが握っていた」。弾頭はあっても、発射命令・認証・指揮統制(C2)を自国で完結できず、核抑止としては不完全だった。そこで独立前後に**「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核の意思を表明。核を抱え続ければ、事故や恣意的使用のリスクを背負う「モスクワの狂気の人質」**になり得るとの現実的判断が重なった。結果、1994年ブダペスト覚書で非核化と引き換えに主権・国境尊重などの安全保障を取り付けた。2026/01/03
gox2
0
結局アメリカにブタペスト覚書の約束を守る意思/能力がなかったという事で、この事実をもって北朝鮮やイラン(中国も)が核開発を加速させる事は当然の帰結なのかなと思う。そして、核を拡散させないために核をロシアに一極集中させたにも関わらず、結果として核の拡散をもたらす状況を作り出している現状は皮肉なものだと感じる。2025/08/03




