透明都市

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透明都市

  • ISBN:9784152103567

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内容説明

2029年、パリで「新革命」が起きた。暴力の可視化と予防のため、あらゆる建物をガラス張りに改装し市民が監視し合う都市計画が締結されたのだ。――20年後、犯罪が激減したパリで裕福な一家3人が忽然と消えた。理想都市で起きた奇怪な事件の裏に潜む真実とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

97
暴力の可視化と予防のため、あらゆる建物がガラス張りになったパリ。犯罪が激減した理想都市で一家3人が行方不明になるという事件が起きる。その真相とはー。 安全性の確保のためとはいえ建物がガラス張りって。生活のすべてがまる見え。すごい発想でした。 お互いを監視し合う、それが日常になっている光景がサラッと描かれているのが怖い。 行き過ぎた完璧さは歪みを生み、またどんな社会になっても犯罪はなくならないのだなぁ…。2024/11/20

藤月はな(灯れ松明の火)

58
文体が途切れ途切れなのが印象的。インフルエンサーが加害者を罰した事の賛美が高じ、行動の透明化を都市にまで拡張した、近未来のフランス。全体がパプティノコン化した為、犯罪が消滅した筈の地区で一家が失踪した。デイヴィッドがエレーヌを笑顔で言葉で傷つけたとしてもニコにとっては仲が良いように見えたように表面良く、人を害したりする手段はたくさんある。そしてこの物語でのフランスは「多様性を重んじた民主主義がある」と称えられているけど、実際は「実態はそうでなかろうと、よりよく見せろ」を押し付けるファシズムでしかないのだ。2025/01/12

ヘラジカ

48
行き過ぎた監視社会というとディストピアではお馴染みだが、この作品では生活の全てが物理的に”透明”であることに重点が置かれている。先日発売されたユーリ・ツェ―の『メトーデ』と同じく、今のヨーロッパを見るとどれだけオーバーでコミカルな設定でも「あり得ない」とは笑えない。だからこそ、ミステリーとしてはそこまで凝った作りではなくとも、あの悍ましいラストが説得力を持って迫ってくるのだろう。盛り込み過ぎていないので綺麗にまとまっていてとても読みやすい小説だった。近未来SF/ミステリーの良作。2024/08/29

ちえ

37
家全体をガラス張りにし相互に監視し合うことで安全に生活できる。そういった考えの元、裕福な人達が住む地域。そこに入れば他の地域にある監視カメラも無い。そこで起こる一家失踪事件。設定、そこに住んでいる人たちの意識が怖い。ミステリーというよりも人間の心の闇を感じさせられた。2024/11/11

あたびー

30
犯罪防ぐ為にガラス張りの住居に暮らすようになった近未来のフランス。高級住宅街で謎の一家失踪事件が起きる。主人公のエレーヌは中堅捜査官。家庭の問題に悩みながらギリギリ違法な捜査方法をとることも。有り得ない場所での有りえない事件の謎を解くミステリーだが、主題は現代のネット社会における状況を指し示しているのだろう。似た思想や境遇の人と私生活を晒しながら暮らすことでしか安心できない人々。しかしガラス張りの家は夏はさぞかし暑かろう。2026/04/06

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