内容説明
謎めいた「神話」が
IT企業を舞台によみがえる──
現代のカフカ的傑作!
そのYouTuberは「予言」する。
世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を指し示すために。
かつて存在した「完璧な文章」を取り戻すために。
「この世界は、生きるに値するのだろうか?」
会社員からトップYouTuberに転身した元後輩の桜井君。またの名を、「YouTuberロボット」。
IT企業の幹部としてプロジェクトに忙殺される日々を送る「僕」の前に、再び彼が現れた──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
155
上田 岳弘は、新作中心に読んでいる作家です。我々の世代で多頭獣と言えば、キングギドラですが、本書では人間の暗喩のようです。著者は本書を楽しんで書いているようですが、YouTuberでもあまり楽しめない気がします。 ラーメン二郎が登場したので、著者は慶大卒かと思いきや、早大卒でした(笑) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000395958 2024/09/12
mint☆
86
上田さんの作品は芥川賞受賞作『ニムロッド』以来。人気YouTuberだった「YouTuberロボット」が5年前、突然全ての動画を削除し「ロボット一派」と呼ばれていた仲間たちと共に消息を絶ったが、ある日かつての上司だった家久来にコンタクトを取り始める。独特な世界観で私には少し難しかった。実在のYouTuberの名前が出てきたりラップで表現するなど"今現在"を切り取ったような表現が多かった。ロボットの問題は解決したのだろうか。『生まれたくなんかなかった』のセリフが心に残る。#NetGalleyJP2024/10/04
アーちゃん
47
初出「群像」2022年10月号~2024年2月号。システムエンジニアの家久来の後輩社員、桜井はYouTuberロボットとなり会社を辞めグループで動画を配信し世界有数のYouTuberとなるが、五年前のイベント”血の関西ランウェイ”以降全ての動画を削除して表舞台から去ってしまい、再び家久来の会社に入社する。TikTokerのICOやセロトニンマエストロJOEなど『K+ICO』の登場人物や穴の底の太陽など上田作品のカラーが色濃く出ていたと思う。ラストにフェリーニ「81/2」(はっかにぶんのいち)を思い出した。2024/12/11
ヘラジカ
38
著者初読み。こういう作風だったのか。実在するYouTuberの名前が多数挙げられているのだが、どうしても影響力を持っているとされる架空のYouTuberにリアリティも実体も伴っていないように見えて、序盤から気持ちが上滑りしてしまった。動画配信者の俗っぽさを過小評価しているというか、解像度があまり高くないというか……。作品全体に説得力がなくて空虚に感じる。意欲的な作品ではあるものの全く乗れなかったというのが正直なところだ。2024/09/17
Tαkαo Sαito
33
大好き上田岳弘さんの作品。全作読んでますが、今回が集大成のような、壮大かつ繊細で示唆に富んだ人類作品。村上春樹さんをかなり意識してるような世界観、文章の構造、言い回しが良い意味で「多頭獣の話」を作り上げているような気もした。上田さん、相当村上春樹さん好きなんだろうな笑。細かい感想は難しい、読み終わった人にしか分からない不思議な作品。その辺りも村上春樹作品、特に「街とその不確かな壁」のような抽象的で壮大な作品に近づいているような気もする2025/03/01
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