内容説明
スターが歌う歌に価値があるのではない。良い歌を歌う人に価値がついていくのだ――。開花前夜の才能たちと真正面から向き合い、数々の名曲を世に送り出した伝説のプロデューサーが「新しい音楽」の立役者たちを愛情豊かに綴る。活字の向こうに狂気にも似た創作現場の興奮が立ち上り、天才たちの表情や声をも感じる奇跡のクロニクル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
19
「ザ・リガニーズ」のリーダーだった新田和長さん。当時東芝EMIはビートルズを持っていた事もあり飛ぶ鳥を落とす勢いでした。そんな所にフォーククルセイダーズの「帰ってきた酔っ払い」でさらに勢いを増し、忌野清志郎を発掘したのも彼だったそうです。そして任されたエキスプレスレーベル、自分の世代はこのレーベルの回ってる様子がありありと浮かびます。(ユーミン、等)しかし、84年に退社し、ファンハウスを創業、マイナーなので触れてませんがこの会社がムーンライダーズと契約してくれた功績は大きい。村井邦彦、朝妻一郎さんも登場。2025/01/10
山田太郎
17
ルビーの指環のあとなんだか尻すぼみだった気がすると思ったら、こういうことだったのか納得というか。でも、そう音楽性の幅は広くなさそうだったからこれで良かったような。クリストーマスとんでもない気がするが、その後のこと考えると安井かずみとくっついて良かった気がするな。あの頃マリーローランサンは素晴らしいアルバムですので、皆さん一度聞いた方が良いです。2025/01/03
izw
8
ぼくが音楽を聞き出したのが1970年、吉田拓郎の「青春の詩」が発売され「ニューフォーク」が盛んになった年、深夜放送でビートルズ解散の裁判を流していた。60年代後半のフォークも聞き歌った中に、ザ・リガニーズ「海は恋してる」があった。そのリーダー新田和長が、東芝に入社し、忌野清志郎、赤い鳥、オフコース、チューリップなどのプロデュースをし、後にファンハウスの社長になったことは知らなかった。ビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーチンとの関係、フォークル、加山雄三、坂本九、小澤征爾、森山良子との逸話も興味深い。2025/07/19
gogo
4
昭和~平成の名プロデューサー・新田和長氏の回顧録。ビートルズ、加山雄三、小田和正、坂本九と出てくるアーティストがレジェンドばかり。聴き方も変わっていく中で録り方はどうなっていくのか。ビートルズの話を聞くと「昔はよかった…」なんて事は決してないなと思いました。2025/04/16
O-chami
4
早稲田でザ·リガニーズ活動、高島弘之(初代日本のビートルズ担当〜忠夫の弟·ちさ子の父)の強引な誘いで東芝EMI入社。音楽プロデューサーとして新たな日本の音楽を創り送り届けた半生。フォークルとの友情〜赤い鳥の発掘〜チューリップとの旅〜寺尾聰の反骨〜平原綾香の誕生〜小田和正との信頼と友情etc…。映画「トノバン〜加藤和彦とその時代」でも重要な歴史の証人として登場。BGMは彼の係った名曲達…海は恋してる~翼をください~あの素晴らしい愛をもう一度〜青春の影〜ルビーの指環〜Jupiter〜ラブストーリーは突然に🎶2024/11/27