日本の精神医療史 - 明治から昭和初期まで

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日本の精神医療史 - 明治から昭和初期まで

  • 著者名:金川英雄
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  • ISBN:9784787233349

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内容説明

明治期の西洋医学の導入以降、精神病者の治療・保護・監視に関する法律が制定されて、精神病院が作られていく精神医療史を追い、呉秀三らによる『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』を精読する。国内や朝鮮半島を視野に精神医療史をレクチャーする。

目次

はじめに

序章 日本の精神医療の歴史――明治から大正
 精神科日記
 明治以前からの精神科病院
 府立精神科病院を作った七分積金
 衛戌病院、軍医と精神病室
 医療制度とともに精神科も発展
 不良子弟の隔離
 相馬事件
 私宅監置調査、『実況』を配布

第1章 人々は精神病をどう見ていたのか――『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』を読む
 陽性症状と隔離
 修験道、巫女と精神障害者
 施錠していない例
 府立巣鴨病院入院例
 誤解を受けている例
 警察が指導した待遇改善例
 公共施設入所時の費用がいとこに回った例
 食べ物がなく自由に外出していた例
 町が親子を保護している例
 委託された施設
 五種類の『実況』
 精神病者監護法とは
 精神病院法
 精神科病院建設、外地へ

第2章 近代期朝鮮半島の精神医療史――プサンを例に
 江華条約
 プサンの日本人町
 プサン済生医院
 種痘法
 『鶏林医事』
 プサン以外の医療
 甲申政変
 プサン共立病院
 プサン公立病院
 プサン居留民団立病院
 プサン府立病院
 行路死亡者

第3章 朝鮮半島初の精神科病棟――大邱、ソウル
 済生院
 山根正次
 水津信治
 現地医師養成
 種痘認許員免許
 京城帝国大学医学部
 大邱での教育
 同仁会の医療教育活動
 医師派遣
 平壌同仁会医院の医師教育活動
 慈恵医院
 慈恵医院の巡回診療
 道立病院への転換
 大学へ発展
 精神病者監護法制定の要求

第4章 日本の精神医療と西洋医学――朝鮮半島を例に
 朝鮮半島と諸国との関わり
 西洋医学の流入――宣教医師
 転換点
 ホレイス・アンダーウッド
 オリバー・エビスン
 チャールズ・イングリス・マクラーレン
 セブランス連合医学専門学校の精神科講義
 李重チョル
 セブランスは旭に改名

第5章 精神科病院建設への道
 病院建設
 行幸特別予算
 皇太子ニコライ
 二番目の公立病院、鹿児島保養院
 県立芹香病院
 須磨精神病院
 内務官僚樫田五郎

第6章 隔離拘束の問題点
 精神病者監護法の範囲拡大問題
 コレラの流行
 コレラ対策の歴史
 朝鮮半島での防疫体制
 ソウルの避病院
 地元版の避病院建設運動
 会の結成と京城府民病室の建設

終章 『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』を改めて読む
 呉秀三が掲げた問題点
 精神科病院建設の国家的戦略
 内務官僚樫田五郎の力

参考文献・資料

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

14
古本屋で手にした精神科の教科書から影響を受けて医師になった東大教授の秋元氏は、アメリカ留学中に発病し被害妄想のため同僚医師を射殺したこの教科書の著者を主治医として看ることになる。ときに精神病の妄想それ自体よりも奇妙なエピソードがあったりする歴史の断片を切り出した本書で興味深いのは、面白エピソードがとりわけて多くもない大部分の箇所が朝鮮半島における医療活動と交錯して記述されてること。だから題名は『日本と朝鮮半島の精神医療史』でもいいぐらいで、コレラ患者の隔離拘束時に植民地主義的混淆が生んだ問題に論述を収束。2017/11/02

gtn

12
明治から昭和初期まで法に基づき存在した「私宅監置」という名の座敷牢。その主眼は、精神病者の「治療」ではなく「隔離」であった。そのため、保護者である近親者が貧しかったり、高齢の場合、その患者はほったらかし。何年も風呂にも入れてもらえず、満足な食事もなく、畳さえない土間に横たわる。その先にはそう遠からぬ死が待っている。環境は改善されたとはいえ、重症者の隔離は病院において今に続く。 2018/11/12

更紗蝦

7
タイトルは『日本の精神医療史』ですが、医学的な話よりも、民俗学的な話の方が多いです。日本の中の話だけにとどまらず、日本が韓国の医療施設の発展に与えた影響についても詳しく書かれています。この本の中にたびたび名前が出てくる東京帝国大学・精神科教授の呉秀三氏は、おそらくは夢野久作の『ドグラ・マグラ』の正木教授のモデルではないかと思われます。2013/11/11

takao

4
ふむ2024/04/20

sabato

4
もう興奮して読んでしまった!呉秀三の『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』(1918年)は、一般的には「私宅監置はけしからん!精神病院作れ!」と訴えた報告書と学んでいたが、実はそんなマイナスな側面だけではなかった!ということをものすごく細かく分析した内容。当時(明治初期)の日本の様子や、家族看護の実態事例が新たに分析、現代語訳にされていて学びななおすことができた。修士論文執筆の時に読めていたらまた違った書き口になっていたかもしれない(いや、論点ズレてくるかw)福祉系の修士1年、または卒論にぜひの1冊。2013/10/31

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