岩波ジュニア新書<br> 野生生物は「やさしさ」だけで守れるか? - 命と向きあう現場から

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岩波ジュニア新書
野生生物は「やさしさ」だけで守れるか? - 命と向きあう現場から

  • 著者名:朝日新聞取材チーム
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 岩波書店(2024/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009886

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内容説明

野生生物を守るのは簡単ではありません.複雑な生態系のバランスを保ち,多様な生きものがいる豊かな自然環境を維持するために,ときには外来生物などを駆除するという,つらい選択をしなければならないこともあります.日々悩みながら命と向きあう現場の人たちを取材し,人と生きものとの共生のあり方を問いかけます.

目次

はじめに――捕まる野生動物を「かわいそう」と感じる気持ちは大切だけど……
第1章 人気者が広げた波紋
あのシカに会いに行く
「とにかくかわいそうだった」
昔は保護されていたのに
動物園で引き取れるか計算してみたら
守られるシカ,駆除されるシカ
海岸で見つかった瀕死のウミガメたち
漁師がカメを刺したわけ
世界も認める島の豊かさ
ソーダ色の海に浮かぶウミガメたち
増えてきたカメと心配ごと
ウミガメと共存するために
「憎い存在ではないんです」
多くが絶滅危惧種
メスばっかり? 新しい脅威も
放流会で増やせるか
ウミガメ「だけ」守ったら起きたこと
ヘビもトカゲも減ってしまった……
ウミガメ,島の人,島の外の人
漁師と鉢合わせた
あちこちで出没するクマたち
学会から出た緊急声明
クマは増えていた
怖いけど,共存するために
「むしろ共存の邪魔をする」こととは?
世界を見ればアフリカゾウも
象牙を使う? 使わない?
耳を傾けることも大事
第2章 専門家だって悩んでる――「かわいそう」の線引き
「ガチ! 生物多様性塾」
疑問と難題は次々わいてくる
昆虫を食べる=命の大切さを知る?
白黒つけられないことに大事なものがある
駆除活動と環境教育
外来種だけど,身近な生きもの
「駆逐してやる」,外来種を踏みつぶす子ども
「悪者」とか「やっつける」は言わない
「命について考える機会にもなる」
「段階を踏んでいくこと」
ヒーローと「強敵」
地球上で最悪の侵略的植物
ブラックバスの「同期生」
とにかく早く,時間との闘い
どうしてヒーローを呼んだのか
ナガエだけじゃない「強敵」
心の痛み,関心の高さ
関心が高い生きもの,そうではない生きもの
大正川のカメたち
クサガメは在来種→外来種?
「駆除への理解は得られにくい」
西堀さんにとってのクサガメたち
理解者からの鋭い指摘
どんな道を選んでも苦しさはある
●《コラム》外来種とは?
私たちを助けてくれる外来種たち
問題なのは「侵略的かどうか」
外来種問題を甘く見てはいけない理由
どの場所で何を見るのか
第3章 調べるのも守るのも簡単じゃない
海に沈めたマッコウクジラ,他の道は?
市長が海に帰したかったわけ
博物館が「標本にしたい」と言ったわけ
戦争,気候変動……クジラやイルカが伝えること
野生生物の死は,自然からのメッセージ
ストランディングと私たちの暮らし
クジラが残してくれたもの
もしも見つけてしまったら
海に帰すのが自然?
標本になったマッコウクジラ
ちょっと地味でとても大事な研究
コオロギでゲンゴロウを育てる
他のゲンゴロウでもさらに実験
コオロギやキンギョならエサにしてもいいの?
コオロギが必要なもう1つのポイント
ゲンゴロウの飼育から見えるSDGs
もう増やせない生きものもいる
絶滅種を「復活」させたらダメなのか
「保護して増やせば」は簡単じゃない
「いい仕事,してますね」
第4章 生きものたちのつながり
「チョウの楽園」に火を放つ
生きものにとっての草原
阿蘇に広がる1000年の草原
青い星オオルリシジミ
野焼き,記者も挑戦
「東京から大阪まで」草刈り
いざ野焼き,飛び出すウサギやシカ
変わる草原の役割と担い手不足
6000種の命をはぐくむ場所「田んぼ」
人がもたらす多様な環境とリズム
それぞれの田んぼにも個性
切り倒された村の花たち
34番目の国立公園誕生
人類全体の宝物をめざして
問題になったシンボル
環境省からのお願いと村の決断
切られなかったハイビスカス
決断が教えてくれたこと①
決断が教えてくれたこと②
生きもののつながり,人のつながり
●《コラム》生物多様性とは?
経済も社会も文化も支えられている
生物多様性の危機は私たちの危機
第5章 命に向き合う責任
島の生きものを襲ったマングース
「快挙」間近の駆除
9割を捕まえてからが本番
「仕事をなくすための仕事」と言われても
泣きながらマングースを手にかけた
戻ってきた生きもの,変わってしまった生きもの
たくさんのマングースの命を奪ってきたからこそ
ヒキガエルの駆除調査に参加した学生時代
「見つけちゃったらどうしよう」
対照的だった1匹のゲンゴロウ
あの日の自分へ声をかけるなら
気持ちには正解なんてない
参考図書
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ykshzk(虎猫図案房)

28
子ども向けの本だが学ぶべきところが多い。タイトル通り、やさしさや同情で自然は守れない。私がいつも思うのは、動物番組などで無闇に感情的で幼稚なナレーションを入れないで欲しいということ。音声に引っ張られて、思考が停止してしまう。作り手は、残酷なシーンでも淡々と無音声で流す海外のドキュメンタリーのような感じだと日本人にはウケないと思うのだろうか。この本で考えさせられたのは「外来種」という言葉を覚えた子どもが、自然教室でアメリカザリガニを見つけた時「外来種だから殺していいんだ」とその場で足で踏みつけたということ。2024/09/18

Nao Funasoko

19
ここ数年興味を持っているテーマを扱った新書。第2章「専門家だって悩んでいる」そうだよなあ、真剣に取り組んでいる方たちほど悩みは深いだろうなと思う。 また、同章中の小見出しにある「白黒つけられないろころに大事なものがある」があるは、本テーマに限らず他にも当てはまる普遍的なことなんじゃないかなと心に残る。 岩波のジュニア新書や筑摩書房のプリマー新書といった若い層向けの新書は、広く網羅的にフラットに解説してくれるので理解しやすいから好き。2024/08/16

Midori Matsuoka

14
近年話題になっている野生生物の保護や捕獲・駆除に関わる人たちに取材をしながら、命と向き合うことの難しさについて真摯に向き合っている。 「かわいそうだから」保護する、「外来生物だから」殺してもいい、という短絡的な考え方ではなく、その地域の何を保護するのか、その生物を駆除することで生態系はどう変化するのか、と多方面に考え、時に悩み、色々な考え方と対峙しながら活動をしていっている様子がよくわかる。 マングース根絶のニュースを最近見たけど、そのことも取り上げられていた。大阪の淀川河口に漂着したクジラのことも。2024/09/19

ののまる

10
生物も人間社会も多様性が大切。 現場で活動している人たちの実際の苦しみや悩みなどが取材されいて、それがとてもいいな。2025/03/14

おさと

9
害獣、害獣駆除。人間の都合でただただ殺してしまっていいものなのか…モンモンとしている昨今。「専門家だって悩んでる」答えは出ないけど、いろいろな考え方を知って思索を深めることが大事なのかな。2024/08/23

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