ちくま新書<br> 中国共産党vsフェミニズム

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ちくま新書
中国共産党vsフェミニズム

  • 著者名:中澤穣【著者】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 筑摩書房(2024/08発売)
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  • ISBN:9784480076380

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内容説明

中国に女権主義(フェミニズム)ブームがやってきた。「なぜこの社会は不公正で不条理なのか」。自らの境遇に不満を募らせる女性たちの問いに、女権主義が答えを与えたからだ。「天の半分を支える」といわれてきた中国の女性だが、建国以来、中国共産党最高指導部にその姿はない。改革開放政策は男女格差を広げ、出産や結婚から女性は遠ざかる。女性への暴力や人身売買の報道もあとを絶たない。女権主義を手に入れた女性たちに対し、政権は神経をとがらせる。MeToo運動の最中に現地取材をした中国特派員が見た抵抗と弾圧の最前線。

目次

まえがき/第一章 中国に女権ブームがやってきた/1 女権主義ブーム/「特別な年」となった2022年/「言葉」を探す若い世代/上野千鶴子ブームの背景/対談相手が批判を浴びる/2 事件が映す性差別/唐山事件/「男対女」で展開した論争/「鉄鎖女」事件の衝撃/判決への批判/続く隠蔽と宣伝/3 人身売買と彩礼/一発殴られれば/北朝鮮女性も被害に/注目集める「彩礼」/彩礼の高額化/男女間の対立の火種にも/4 経済力を盾に/中国側の完全勝利/情報統制/説明要求/飛び火/第二章 なぜ「天の半分を支える」女性を恐れるのか/1 中国共産党の女性活用/習政権下で進む女性排除/「女性は天の半分を支える」? /市場経済化がもたらした変化/伝統的価値観への回帰/2 法制度の改善/相次いだ法改正/星星のために/冷ややかな受け止め/3 MeToo運動と中国政府/運動前夜/NGOと1995年世界女性会議/2018年、MeToo運動の波が中国に/当初は好意的な対応も/強まる監視/「女権の声」の削除/4 女権主義は「境外勢力」/西側の価値観を排斥/一カ月で二二件の告発/黄雪琴さんの逮捕/横のつながりを断つ/第三章 MeToo運動が中国に残したもの/1 弦子さんの訴え/第一回審理/2014年6月9日/「我慢するしかない」/警察への届け出/被害届取り下げを求められる/MeToo運動を受けて/否定する朱軍氏/2 なぜ司法の救済はなかったのか/一審敗訴/原告に不利な審理/立証のハードル/原告敗訴は妥当か/情報統制/3 「性被害がなくならない限り、MeTooもなくならない」/中国のMeTooは敗北だったのか/問われる司法/告発対象者の偏り/進歩か、行き止まりか/第四章 中国社会に響く不協和音/1 急速な少子化とちぐはぐな対応/日本より速い少子化/一人っ子政策からの転換/少子化への焦り/政策変更の皮肉な副作用/補助金の直接支給は広がらず/反発生む教育費の負担軽減策/ちぐはぐな少子化対策/2 結婚に背を向ける/婚姻数も激減/結婚も子育てもハードルが高い/伝統的価値に背を向ける若者/不服従としての不婚不育/3 分断──女と男、女と女/「国男」と「女拳」/「女拳」に偏った規制/結婚する女性にも批判の矛先/女権主義者内部の対立/対立を煽る中国の特殊事情/第五章 変革の新たな担い手/1 女性たちの白紙運動/「コロナへの勝利」/「封鎖はいらない自由がほしい」/白紙に何も書かれてなくても/十数都市に広がった抗議行動/長期拘束七人のうち六人が女性/女権主義の影響/脱中心化する運動/海外との相互作用/変革の担い手/2 「民運」とMeToo運動/天安門の英雄への告発/台湾でのMeToo運動/民運の「おっさん臭さ」/民運への信頼と支持の喪失/身近な正義/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

18
一読して、中国共産党がフェミニズムを槍玉に挙げているというより、習近平政権が社会運動全体を警戒しており、その中にフェミニズムも含まれているだけのことではないかという印象を抱いた(無論それはそれで問題なのだが)。最後の天安門事件の指導者王丹が性加害で告発されたことを取り上げ、彼を含む民連が家父長制的な感覚を持っているということでは共産党と何ら変わりないという指摘は興味深く読んだ。近年中国ドラマでは現代劇も時代劇もフェミニズムが底流にある作品が主流となっているが、それについて全く言及されていないのも不満。2024/08/09

サケ太

13
中国においてフェミニズムも中国共産党の政策を否定する社会運動の一環として、警戒し締め付けている。中国でフェミニズムを掲げることの困難さ。ネット上でしか連帯できない状態。様々な事例をあげつつ、フェミニズムの理解の難しさも感じた。2024/08/22

電羊齋

12
中国社会での近年のフェミニズムブーム、MeToo運動と当局の弾圧がよくまとめられている。中国でのいろいろな事件が映す男尊女卑、女性差別、セクハラ、そして少子化・非婚化などの問題は文化的に近い日本と類似していると感じた。一方で、中国でのフェミニズム運動が社会的広がり故に当局の警戒を受けていることは、「正しさ」を独占し、かつ人民が横につながることを許さない共産党政権らしい特色か。社会主義的な男女平等の建前が薄まり、家父長制へのバックラッシュ、男女平等の後退が習近平政権になって加速していることがわかる。2024/08/26

kenitirokikuti

10
著者は東京新聞記者で、2018〜22年に中国総局(北京)特派員。本書はおもにその間の中国の女権主義に関する動きを追う。〈ある特定の国で、特定の時期に、フェミニズムが強い影響力を持つことがあるが、中国ではそれがこの時期にあたるのではないだろうか。〉(まえがき)。女性の社会進出が急に進んだときに起こるのだろう▲習近平時代に女性の権利に関する立法が成されているが(民法典のセクハラに関する独立した条文や、反家庭内暴力法など)、統治の安定性が優先され、セクハラ裁判では訴えた女性側が敗訴している例が取り上げられる。2024/12/28

二人娘の父

8
「農村」「秘密結社・カルト」に続いて中国関連の新書。本書のテーマは「中国共産党とフェミニズム」。最も親和性が低いと思われる二つの関係。読後の感想は「やはりそうか...」である。個人的に中国は米国に次ぐ先進資本主義国でありつつ、先鋭化・現代化した家父長制を基盤とした超管理統制社会との認識。その中で最も酷い立場にある女性たちの姿である。農村地域での女性の状況に関する取材がない(著者もそれは自覚)ことは残念。紹介される事例や体験談はどれも衝撃的であり、細かな性被害の描写もある。サバイバーの方には注意を促したい。2025/03/14

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