内容説明
私はなぜ家族へ「当てつけ」るような行動を繰り返したのか。連続射殺犯・永山則夫の成育歴を掘り起し、家族のありようを問い直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tenso_h(堀川てんそ)
9
死に関する文化のように、本来身近にあることとして議論が進まなければならないのに、ながく停滞しているもののひとつなんだな。罹患者数からして、私のように今まで、そして近い将来も、この病気に無縁な人間の意識はおかしいのではないだろうか。何かが見えないように隠されているんだな、きっと。いや、自然と見ないようにしているのか、社会全体で。興味深くなった。2016/11/04
そらいろ
5
【図書館】統合失調症の母を持ち精神科医となった著者が語る家族。自身の家族関係は勿論、永山則夫や小説・映画、里親制度までも取り上げている。前作では描かれなかった著者自身の荒れた辛い様子と、同時に温かく接してくれた伯母や従姉弟達の存在と共に過ごした日々が、その後の人生の支えになった事が書かれている。前作では統合失調症の母を持つ娘としての目線が多く、「負けないで、人は変われる」というメッセージを強く感じたが、今回は精神科医としての目線が多い為、統合失調症患者だけではなくトラウマを抱えた人を支える家族や、(続く)2014/08/26
まめお~
4
前作に続き読了。今作では「ドロドロとした闇の部分」に焦点を当てたそうだが、そうでもなかったような。永山則夫氏と自分とを比較した記述が多かったし、法律や精神科病院の実態にも触れているのだが、なぜかボヤけて見える。著者がやはり自分に焦点を当てているからだと思った。(永山氏は刑を執行されているのに終始呼び捨てなのはなぜ?)私も病者の家族だが、あまり響かなかった。家族であってもなかなか理解しがたい行動にも、本人にはちゃんとした理由があることを教えてくれたのは横田泉氏著「統合失調症の回復とはどういうことか」だった。2014/12/01
オリーブ
3
他人事だとどこかで思っている人も多い精神の病。素因があっても発病で苦しむかどうかは資質にあった教育や良き支援者によるところが大きいのだろうとは理解できるが、そんな「運」まかせではなく誰にでも救いの手が差し伸べられるべきだと痛感した。貧困だけでなく自身と家族の病にも原因があった不幸な事件の永山則夫の事件から私たちは学ぶべき多くのことがあるはずだ。人間は人によって傷つけられるが、また人によって救われることが鑑定書を手掛けた石川義博医師によって永山の難く閉ざされた心を開いたことでも証明されているのだから。2014/05/14
水沢晶
1
『本書は前作では書けなかった闇の部分を書いたもの』と冒頭にあった通り、確かに随分とイメージの違う一冊だった。2020/07/16
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