なぜ君は総理大臣になれないのか

著者名：大島新

日本評論社（2024/08発売）

• ISBN：9784535587649

内容説明

2020年夏、コロナ禍の中で異例のヒットを記録した一人の国会議員を17年間追い続けたドキュメンタリーのシナリオを完全収録！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[あんさん]

私たちは「政治家」に何を期待しているのだろうかと考えさせられた。日本の将来を悩みながらも真っ直ぐに考える小川氏。優秀で純粋で何より「普通の人」。タイトルの「君」は小川氏ではあるが、私たち一人一人でもある。こういう方に投票していきたいが、短い公示期間では人物像まではほとんど分からないのは確か。畠山理仁氏の寄稿が大いに参考になった。

2022/12/27

[ふう]

これも『香川1区』の映画を観て。DVDの予約はまだまだ先だが。なるほど野党の混迷のさなか、振り回された感はある。特別寄稿にあるように、数の論理の今の政治の対極にいるような人が、だからこそ必要だなあ、と。

2022/03/19

[ブック]

だいぶ前に購入していたが、読まずにいたもの。映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の内容を全編書き起こしたものだが、その他にもいくつかの読み物があって、映画を観た人にとってはそちらが読み応えがある。この度、続編映画「香川1区」が公開され、久々に「なぜ君」のDVDを見直したこともあり、今頃、読んでみた。先の衆院選で小川淳也議員が選挙区当選を果たし、その後の代表選を経て党の政調会長になったことを知りながら読むと、さらに「いま」の意味が理解できて面白さが増した。今年の夏の参院選が楽しみになってきた。

2022/01/01

[大泉宗一郎]

立憲の小川淳也議員を初出馬から十数年にわたって密着し続けた同タイトルのドキュメンタリー映画本。野党の中ですら地位のない被写体の小川氏は作中、絶えず苦悶の表情をたたえ、愚直ゆえに空回りもしてしまう。その姿に冷めることもあれば、共鳴することもある。北欧型の社会保障制度への移行という政策に賛同もする。それが製作者のフィルターを通した姿であったとしても、ひとりの政治家と、彼の感情を通じてこの社会の有り様と問題に触れられる瞬間があり、やはり優れた映画であると思う。ジャーナリストの畠山理仁氏のコラムが目から鱗だった。

2024/07/21

[みじんこ]

政治は勝った51がどれだけ残りの49を背負うかである、という考え方はとても共感を覚える。あかたちかこさんの論で、作中で通りすがりの人から罵声を受けた際の「ありがとうございます」と返す意図がようやくわかった。映画も本書全体も、具体的な政策ではなく、こういう政治家もいるという人柄や我が国の政治・選挙についての話がメインになっている。最初の対談で、小川さんは真面目で誠実であるが故に報われないと思う人がいるという話があったが、私もどちらかと言えばそう思う。権力欲で満ちた人の方が出世しやすいのではないだろうか。

2021/12/02