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内容説明
源氏物語の新訳を手掛けた作家・角田光代と、平安文学研究者として注目の山本淳子が、今源氏物語をどう読み、どう捉えるか、紫式部と道長、彰子の関係なども含め、現代の視点から読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
128
藤壺は#MeToo、薫コミュ障、浮舟意外にラスボス。 源氏の現代語訳し終えた女性作家と源氏女性研究者の対談。 今まで男性目線だったのが変わっていく予感2024/11/28
アキ
94
源氏物語を現代語訳した角田光代と源氏物語の研究者である山本淳子との対談。「源氏物語」を多面的に読み、当時の宮廷内の政治や一条天皇と2人の后との関係性、紫式部の人生と小説の内容との関わりなど、興味深い内容でした。特に印象に残ったのは昭和の男性研究者と、1990年代以降の女性の研究者で見方が異なること。いつの時代にも多様な読み方が出来るのは、紫式部が書いていない余白を残しているからなのかもしれません。源氏物語ほど研究され尽くしている小説はないのだが、読む人によって異なる読み方を許容してくれる小説でもある。2025/04/26
buchipanda3
94
研究者と現代語訳を完遂した作家の対談。創作の内側も含め興味深く読めた。角田さんは全訳後、小説が書けなくなったそうだ。執筆の観念が前と変わったとのこと。それほどの影響力。山本さんとの対話では登場人物一人一人(主役以外も)の多様な視点で追って物語の世界観を拡げていく。母親の目線もそうだが紫式部の成長と物語の変化を結び付ける観点が面白い。そして性別に関係なく「世」や「身」に縛られるままならなさは時代感が違えど現代もある。千年を越え現代も照らし出し、柔軟な解釈と意義を生み出し続ける懐の深さが源氏物語の魅力なのだ。2024/08/14
たま
81
角田光代さんと山本淳子さんの対談。お二人とも源氏に詳しく(当たり前か)、打てば響くような対談で面白かった。浮舟という人間をどう捉えるかが源氏の読みの一つの鍵だと思えるが、お二人とも繰り返し浮舟について語り合い、なるほどそう読めるのかと興味深かった。山本さんは角田さんの質問に答えて90年代あたりからの研究の変化についてさらっと語っていて、私としてはその辺をもう少し詳しく知りたいなと思った。山本さんのご本は『平安人の心で「源氏物語」を読む』のトピックを拾い読みしただけ、もう少しまとまったご本も読んでみたい。2024/12/12
さつき
58
小説家角田光代と研究者山本淳子の源氏物語についての対談。角田さんが源氏物語を訳した事は知っていて興味はありましたが、まだ読んではいません。てっきり作品のファンなのだろうと思っていたので、仕事を依頼されるまでは全編通して読んだ事が無かったということにまず驚きました。全然興味が無かった人だからこそ新鮮な視点があり固定観念にとらわれない訳ができるのかも。二人の話しは、私が気になっていた事や印象的な場面にも触れられていて、頷くばかり。面白かったです。2024/12/16