文春e-book<br> 天使の跳躍

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文春e-book
天使の跳躍

  • 著者名:七月隆文【著】
  • 価格 ¥2,000(本体¥1,819)
  • 文藝春秋(2024/08発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163918839

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内容説明

「神に愛された天才」vs「人に愛された中年の星」

知られざる将棋のタイトル戦を舞台に繰り広げられる、感動の人間ドラマ。
恋愛小説の金字塔を立てた著者が開いた、新境地。

40歳までタイトルを獲れなかった棋士は、引退まで無冠に終わる――。
それが才能と加齢による限界がもたらす、将棋界の残酷な歴史。
田中一義は46歳。かつて5度もタイトル挑戦に敗れ、
あと一歩で栄冠に届かなかった「悲運の棋士」。
それでも諦めずにきた彼に奇跡が微笑み、
念願のタイトル挑戦権を手に入れた。
だが迎え撃つ相手は「令和の王」――源大河八冠。
まだ一度もタイトル戦で敗れたことのない、全盛期の若き天才。
それは誰もが絶望する、中年棋士のラストチャンスだった。

家族と戦友、元天才の弟子との絆、初恋と、青春の残光……
これまでの人生のすべてを星のごとく燃焼させる一義は、
神の子に届くのか。

熾烈な才能の世界と家族愛をみごとに描いた傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

76
「将棋戦の決着は、切腹に似たり」と言われる。負けを認めた側が屈辱の一言「負けました」と、自らにケジメをつけなければならない。将棋の世界は厳しい。あっという間に頂点に上り詰めた、藤井聡太もいつかは無冠になるのだ。さて、プロ棋士を描いた今作は、将棋界の裏側も垣間見えて面白かった。私は源大河八冠を藤井七冠(現在は八冠の一角を崩された)に置き換えて読みました。そして、主人公は悲願の予選を勝ちとった田中一義。この勝負、いつもの私なら藤井ファンなので源八冠ですが、今作では家族の声援を背負っての挑戦者を応援しました。2025/05/12

道楽モン

63
挫折を乗り越えて成長する若き棋士、あるいは孤高の王者の苦悩をテーマにするのが将棋小説の常道だが、本作はタイトル戦になかなか達しない46歳の八段棋士が主人公。苦闘の末に挑戦権を掴むが、対するは圧倒的強さでタイトルを独占する若き八冠王者。予想に反して最終戦までもつれ込んだ背景には、主人公の過去と周りの人々からの絶大なる後押しがあったからだ。実在のモデルや舞台を巧みに脚色し、実に読み応えのある人間劇に仕立てた作者は称賛に値する。知らない読者にも将棋の勝負どころを伝える工夫も効いている。将棋小説としては大収穫だ。2024/09/10

PEN-F

49
将棋のルールはさっぱり分からんが、将棋の小説は結構好きでよく読むのでこちらも楽しく読ませて頂きました。読んでいてとにかくビックリしたのが、対局中におやつタイムなるものが存在していたこと。いつでも好きなときにおやつを食べていいのか、ちゃんとおやつの時間が決まっているのかは分からんが、名人とか竜王とか呼ばれているもの凄い棋士たちが、タイトル戦という熾烈を極める戦いの最中にいきなりシュークリームやらいちご大福を食べ始めると思うとなんだかすごく可愛い。...将棋界ではバナナはおやつに含まれるのかしら?🍌2024/09/19

万葉語り

44
将棋の話と知らずに読み始め、途中から思いっきり田中さんを応援しながら読み進めた。中年をバッタバッタと薙ぎ倒して八冠を獲得した藤井君も、源さんのように悩みがあるのかと現実を重ねてしまった。面白かったです。2024-1082024/10/14

日坂愛衣

43
これの登場人物たちはあんまり現実味ありすぎる(現実の展開はちょっと違うだけと)、一将棋ファンとして本当に楽しめる話と思う。特に光さんと源さんのエピソード、あれ本当に良かったと思う。やはり神様に祝福される天才でも凡人の仲間があるべし2024/09/12

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