内容説明
私は天神さまこと、菅原道真。皆さまご存じのとおり、太宰府天満宮に祀られている学問の神さまである。好きな食べ物は卵かけご飯。家電製品の扱いはちょっと苦手。築五十年のオンボロ四畳半アパートで暮らしている。
この国には八百万の神々がいるが、私も含め皆、人間社会に紛れて生きている。コンビニで立ち読みをしていたり、ラーメン屋の行列に並んでいたり、公園のベンチでぐったりと休んでいたり、参拝者の願いに耳を傾けていたり…。
本書は、そんな神さまたちの何気ない日常のお話。
装画:浮雲 宇一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
125
あったかい一冊。学問の神様、菅原道真を軸に、人の世に混じる神様たちの日常を描いた物語。序盤から面白くてあったかくて、心癒されていく感じが良かった。ここでの菅原道真は4畳半一間に住み、好物は卵かけご飯。こんな砕けた人物設定は楽しい。駄々っ子のお友達のえびす神といい神様ネットワークもイケてる。太宰府天満宮に詣でるさまざまな人間たちに目を配り、時にさりげなく近づき温かい言葉で背中を押してくれたり。こちらまでうるうるしてしまう言葉がたくさん。終章は道真が怨霊と言われる経緯に涙で納得。神も仏もやっぱり…居てほしい。2024/08/06
aki☆
69
ホラー作家嗣人さんのほっこりファンタジー。八百万の神々が人の姿で生活している。天神様の菅原道真は四畳半のアパート暮らしで、氏子を気にかけ時にはアドバイスを与えてくれる。10月の出雲大社では縁を結ぶため身体をも張るというのだから是非覗いてみたい笑。他にも初詣の奮闘ぶりには頭が下がる。花見だ祭だと酒盛り大好きな神様達だけど一生懸命お仕事もしてくれていたw。何度も笑って癒されて、神様の過去を知る事も出来て面白かった。でも最終章は泣いた。菅原道真が何故祟り神となったのか。悲しみの深さに胸が苦しくなった。2026/03/08
ままこ
67
舞台は現在の太宰府市。実直で心優しい菅原道真が人に紛れて、氏子に心配りしながら四畳半のアパートで生活する。梅の木が道真を慕って飛んで来た話は有名だが、同じく飛んで来た老木の松の木の逸話は想像すると笑える。友だちのえびす様をはじめ個性的な八百万神の神々も絡んでくる。マニアックな神さまも登場。えびす様の鯛の話はウケた。四季折々のの出来事を織り交ぜながら話は進む。破天荒で笑いありモリミー作品みたいな読み心地。一転して道真の過去を描いた章はとても狂おしくやるせなかった。結びの章は切なくも温かい余韻が残る。2024/10/31
がらくたどん
58
ご感想に惹かれて。「暖かな物語」と伺ったがそうは言っても嗣人さん。夜行堂と四つ山怪談しか読んでいない事もありどこかで闇が顔を出すのではと警戒したが全くの杞憂。古事記由来の天津神から分けあって人から神上がった神格層に古今の付喪神系(最新は家電神)まで、日本各地に居を構え我が道を行くまさに八百万の神様達の豪快で暖かい「神善」行為が、祟り神から心機一転学問の守護神となった菅公道真君(やや草臥れた中年)の視線で語られる。神界がすでに多様性モデル設定の日本。あんまり排他に動くと「なんやお前ら」と怒つかれるかもよ♪2024/08/18
ポチ
49
天神さまの菅原道真が人間に紛れてすむ太宰府。他の八百万の神様たちも人間界で暮らしているらしい。良く見れば人に化けた神様が見えるかも。太宰府など土地勘があればもっと楽しめたかな。ほのぼのとして優しい作品です。2024/07/06




