STATUS AND CULTURE ――文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学感性・慣習・流行はいかに生まれるか?

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STATUS AND CULTURE ――文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学感性・慣習・流行はいかに生まれるか?

  • ISBN:9784480836526

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内容説明

かつてビートルズの〈マッシュルームカット〉と呼ばれた長く、だらしない髪型は各世代から反発を招き、社会を分断するほどの騒動を全世界に巻き起こした。しかし現在では受け入れられ、むしろクラシカルな髪型となっている。トレンドは一部の過激な行動から始まり、反発を生むが、徐々に許容され、ついには一般化する。人はなぜ集団で特定の習慣を好み、やがて別の流行に移行するのだろうか。なぜあるものが「クール」になるのか? スタイルの革新はいかにして生まれるのか? われわれの文化に起こる絶え間ない変化のメカニズムを、本書は〈ステイタス〉――社会のなかでの各個人の重要度を示す非公式な指標――を希求するプロセスとして説明する。本書で解き明かしていくステイタスと文化の原則は、捉えがたいものとされてきたセンスや真正性、アイデンティティ、階級、サブカルチャー、アート、ファッション、流行、スタイル、リバイバルといった概念や現象を明確にし、われわれを取り巻く世界を分析する際に極めて役に立つ。

目次

日本の読者に向けた序文/はじめに 文化とステイタスのタブーにまつわる大いなる謎/第1部 ステイタスと個人/第1章 ステイタスの基本原則/ステイタスとは/ステイタスを求める基本欲求/ステイタスの基準/ステイタス集団/第2章 慣習とステイタス価値/慣習の力/ランク化された慣習とステイタス価値/模倣と差異化/第3章 シグナリングとステイタスシンボル/ステイタスの主張と評価/ステイタスシンボル/シグナリングが抱える問題と不正行為/第4章 センス、真正性、そしてアイデンティティ/センス/真正性/ペルソナ、アイデンティティ、自己/第2部 ステイタスと創造性/第5章 階級と感性/ニューマネー/オールドマネー/知的職業階級/資本を使わないシグナリング/第6章 サブカルチャーとカウンターカルチャー/二次的ステイタス集団の形成/過激なスタイル/主流社会の周縁から/第7章 芸術/芸術家のステイタス/芸術的価値と斬新な新機軸/急進的な芸術の受容/第3部 ステイタスと文化の変化/第8章 流行のサイクル/文化の変化をうながすもの/高ステイタス層の排他性/マスメディア/模倣とステイタスの高い放棄/大量生産/大衆文化/永久運動/第9章 歴史と連続性/歴史的価値/レトロ・リバイバル/第4部 二十一世紀のステイタスと文化/第10章 インターネットの時代/インターネット、バズり、そしてステイタス価値の下落/新興成り金の台頭とその反動/オムニヴォアのセンス/レトロマニアvs.ネオマニア/まとめ ステイタスの平等化と文化の創造性/原注/書誌情報/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

13
人からの評価・評判の集積「ステイタス」を獲得することに、普遍的に人は惹かれている・捕らわれている。あらゆる文化を、「ステイタス」獲得争いを巡って作られていく。そのことを、ありとあらゆる地域・種類の文化から証明していく一冊。マッシュルームカットが嘲笑すべきものだったところからクールなものに転じたザ・ビートルズの例から始まるよように、特にファッションと音楽への言及が多いが、文学や建築などの例も多い。薄々感じていたステイタスからの逃れ難さを説得的に論じた書として、実践的に活用できると思う。 2024/08/26

かめぴ

9
ステイタスとは「社会における各個人の重要度を示す非公式な指標」にほぼ興味ない、ので読んでみる。(人それぞれ、人類皆平等だと思っているが深層心理では定かでないので)東京在住、ハーバード大卒、慶應の院卒のアメリカ人著者、まさにヒエラルキー上位者と言える。でもまぁ人間の性として上を目指すのは当たり前、なんだろうが…流行・文化・感性・習慣・個人の問題なるほどね、文字にしてくれて分かりやす〜と腑に落ちる。2024/12/15

山のトンネル

4
★5.02024/09/13

やまだてつひと

3
ステイタスという観点で見ると、人々の行動する原理というのがぼんやりと浮かび上がってくるのがとても面白かった。もう一度読み直したい本筆頭だった2025/02/01

古民家でスローライフ

1
社会における「ステイタス」と「文化」がどのように相互に影響し合い、人間の行動や社会構造を形成しているのかを深く掘り下げた社会学的な考察した一冊。冒頭のビートルズのメンバーが、それまで、主流のスタイルだったオールバックから、マッシュルームヘアに変えたことで、それをまねる若者が急増したことから、文化においてのステイタスについての考察からはじまり、経済的資本、社会的資本、文化的資本などの様々な側面から、詳細にステイタスについて論じている。オールドマネーとニューマネーの価値観の違いや対立など、興味深く読んだ2025/04/10

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