内容説明
かつてビートルズの〈マッシュルームカット〉と呼ばれた長く、だらしない髪型は各世代から反発を招き、社会を分断するほどの騒動を全世界に巻き起こした。しかし現在では受け入れられ、むしろクラシカルな髪型となっている。トレンドは一部の過激な行動から始まり、反発を生むが、徐々に許容され、ついには一般化する。人はなぜ集団で特定の習慣を好み、やがて別の流行に移行するのだろうか。なぜあるものが「クール」になるのか? スタイルの革新はいかにして生まれるのか? われわれの文化に起こる絶え間ない変化のメカニズムを、本書は〈ステイタス〉――社会のなかでの各個人の重要度を示す非公式な指標――を希求するプロセスとして説明する。本書で解き明かしていくステイタスと文化の原則は、捉えがたいものとされてきたセンスや真正性、アイデンティティ、階級、サブカルチャー、アート、ファッション、流行、スタイル、リバイバルといった概念や現象を明確にし、われわれを取り巻く世界を分析する際に極めて役に立つ。
目次
日本の読者に向けた序文/はじめに 文化とステイタスのタブーにまつわる大いなる謎/第1部 ステイタスと個人/第1章 ステイタスの基本原則/ステイタスとは/ステイタスを求める基本欲求/ステイタスの基準/ステイタス集団/第2章 慣習とステイタス価値/慣習の力/ランク化された慣習とステイタス価値/模倣と差異化/第3章 シグナリングとステイタスシンボル/ステイタスの主張と評価/ステイタスシンボル/シグナリングが抱える問題と不正行為/第4章 センス、真正性、そしてアイデンティティ/センス/真正性/ペルソナ、アイデンティティ、自己/第2部 ステイタスと創造性/第5章 階級と感性/ニューマネー/オールドマネー/知的職業階級/資本を使わないシグナリング/第6章 サブカルチャーとカウンターカルチャー/二次的ステイタス集団の形成/過激なスタイル/主流社会の周縁から/第7章 芸術/芸術家のステイタス/芸術的価値と斬新な新機軸/急進的な芸術の受容/第3部 ステイタスと文化の変化/第8章 流行のサイクル/文化の変化をうながすもの/高ステイタス層の排他性/マスメディア/模倣とステイタスの高い放棄/大量生産/大衆文化/永久運動/第9章 歴史と連続性/歴史的価値/レトロ・リバイバル/第4部 二十一世紀のステイタスと文化/第10章 インターネットの時代/インターネット、バズり、そしてステイタス価値の下落/新興成り金の台頭とその反動/オムニヴォアのセンス/レトロマニアvs.ネオマニア/まとめ ステイタスの平等化と文化の創造性/原注/書誌情報/索引
感想・レビュー
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しゅん
かめぴ
山のトンネル
やまだてつひと
古民家でスローライフ