内容説明
「人を好きになる気持ちが分からないんです」海松子(みるこ)、大学一年生。他人に興味を抱いたり、気持ちを推しはかったりするのが苦手。趣味は凧揚げ。特技はまわりの人に脳内で(ちょっと失礼な)あだ名をつけること。友達は「まね師」の萌音(もね)、ひとりだけ。なのに、幼馴染の同い年男子と、男前の社会人から、気づけばアプローチを受けていて……。周りとうまくやりたいのにやれない風変わりな女子大学生が主人公の不器用で愛おしい恋愛未満小説。デビュー20周年! 綿矢りさワールド全開!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
piro
42
人付き合いが苦手な大学生・海松子の、青春小説とも恋愛小説とも言えない風変わりな成長物語。淡々と我が道を行く海松子と、カメレオンの様に誰かを真似る事がアイデンティティの萌音。正直言って海松子のキャラが突飛過ぎてストーリーに入り込めませんでしたが、最後は寒風の中でポッと暖かさを感じた作品でした。解説では「カリカチュアライズ」と表現されている手法で語られる物語は、何かと批判的な世の中にあって、他者への肯定的な眼差しの大切さを浮き彫りにしてくれる。そして、島の祭りの花火を「無邪気」と描写する感性が素晴らしい。2024/10/11
Shun
37
世間の”普通”とずれた感性を持つ女の子が主人公。周りの友達から「あの子はちょっとおかしい」と思われ、いじめの雰囲気になっていた時もあったが当の本人は自覚すら持っていなかった。苛めを受けたことに無自覚で居られて自然体で生きて来られた彼女でしたが、大学生ともなると親元を離れたこともありどうやら自分が世間からずれているようだと徐々に感じ始めます。そんな不器用な彼女が色んな人と出会い、揺れ動いていく様子に自然と親しみを覚えます。彼女のとても個性的な言動に思わず吃驚することもあるけど、この主人公には好感を持てる。2024/08/24
エドワード
33
大学生になった海松子(みるこ)は、実家が近いにもかかわらず大学の前のアパートに住まわされる。学生食堂、塾のアルバイト、懐かしい学生生活だ。裏表紙に「海松子は対人関係が苦手」と書いてあるけれど、そうでもない。高校の同級生、萌音と奏樹、クラスメイトとも普通に話している。海松子は一人が苦にならないのだ。大学教授の父親の教え子・諏訪が交際を申し込み、奏樹も好きだという。モテモテだ。でも距離を置く彼女がいい。「私も人付き合いが苦手で、独り暮らしさせたのも他人と接する機会を増やすためだったのだよ」という父親が優しい。2025/04/21
よっち
30
友人も少なく他人に興味を抱いたり、気持ちを推しはかるのが苦手な大学一年生・海松子が、親に言われて一人暮らしを始める物語。趣味は凧揚げで特技は周囲の人に脳内で(ちょっと失礼な)あだ名をつけること。間合いが独特過ぎてなかなか友達ができないのも分かるような彼女と、高校時代の友人だった萌音は何だかんだで息が合う存在で、彼女が気になる同い年の幼馴染や父の教え子たちにモテモテになったことをきっかけに、両親に愛されて育ってきた海松子も少しずつつ変わっていって、幸せを感じる積み重ねの先にあった結末が印象的な物語でしたね。2024/06/20
おかだ
25
いや面白いけども。綿矢りさ過去一共感しどころの無い主人公現る。春から大学に進学し一人暮らしを始めた海松子のキャンパスライフ、友人関係や恋やバイトやなんやかんやあるけど、まあ独特やな〜と。あぶらとり神、良い子やな…人の口臭嗅いで昼に何食べたか指摘してくるとか、私ならその後一生そいつとは口聞かんわ。まね師は普通にいたら大嫌いなタイプだけど、海松子を通して見るまね師は凄い魅力的だった、可愛い。オーラの件は一体何だったのか気になるところ。あだ名のセンスに綿矢りさ感が滲み出ていて良かった。2025/01/31
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