中公文庫<br> 百万回の永訣 がん再発日記

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中公文庫
百万回の永訣 がん再発日記

  • 著者名:柳原和子【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 中央公論新社(2024/07発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122051355

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内容説明

さわやかな秋晴れの朝、がんが再発。左右両葉の肝臓に、最大5センチ15個の肝転移巣の影が見つかったのだ。5年生存をはたした祝いを受けた、1年半後。誰もが完全治癒を楽観していた6年半前の卵管がんだった。この日から、「試されている。いかに生き、いかに抗い、いかに達観し、いかに諦め、いかに死んでゆくのか、を」と記した著者の彷徨が始まる。絶望と孤独の中から、信じる医師とめぐり合うまで――がん医療のあり方を問い続けた650日の記録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しろくまZ

5
初発の卵管癌から六年半後、著者は再発と転移に見舞われる。骨盤内2ヵ所、肝臓には最大5cmの腫瘍が15ヵ所も見つかる。常識的には余命半年の状態。しかし著者が亡くなる2008年3月まで、約4年半生き延びたことになる。これは驚きだ。一方、本書を読んでいて私が共感できたのは、「がんは個別の病である」と書いてある部分だけ。超一流の医者の中を2nd、3rd、4thとオピニオンを求め続け、最良と信じる医療を受けるなんてのは、一般癌患者にはほぼ不可能である。その上、代替療法や歩く気功の話をされても、とても付いていけない。2015/04/06

OHNO Hiroshi

4
結局、死ぬのである、この本の終わり近くになって流し読みしてしまう。ここでは本人は死なず、父は死ぬ、数年後に彼女本人は死ぬ、と言うことを知っていたから。希望で最後は終わっている。今、この瞬間、生きている、と言うことが全て。未来はわからない。過去は遠くなり。2018/01/20

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1
…(慌てず騒がずでありたい)2022/03/04

玉虫左太夫

1
「つまりはゆだねるってことじゃないのかなー」と姉に言われて「ゆだねる」ことを否定し続けた自分に気づくところが印象的。「がん患者学」で医療を批判した著者の、自らのがん再発日記。がん治療の方法をめぐって、主治医を探し歩き迷走する・苦悶する箇所は、治療の痛みよりも痛々しい。「がん患者学」という名著を残してさえ、がん医療というものは困難を極める。としても、「治療法の選択は、私の人生の選択だ」と、敢えて自ら、患者と医療・医者を考え続けた姿勢は感銘を受けた。2010/10/28

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