内容説明
多様性に満ちた世界を理解するために
多様性に満ちた現代社会を理解するうえでいま最も重要概念のひとつと呼ばれる「インターセクショナリティ(交差性)」。この分析概念を用いて、様々な地域の歴史、社会、文化のいかなる諸相が浮き彫りになるのかを、様々な角度からアプローチし、新しい世界への認識を導き出す。
・・・・・インターセクショナリティは、アメリカにおけるレイシズム、セクシズム、貧困と格差、異性愛主義、排外主義、健常者中心主義などを批判するブラック・フェミニストや有色女性の思想と運動のなかで生み出された。今日、インターセクショナリティはさまざまな学問分野、社会運動、政策に影響を与えるものとなり、アカデミズムを超えて、社会運動の担い手によって、さらには政策立案者によっても採用される「多様な知的・政治的プロジェクト」となった。・・・・(序より抜粋)
【主要目次】
序 「インターセクショナリティ」に何ができるのか(土屋和代)
Ⅰ インターセクショナリティをめぐる「過去」と「現在」
1.権力性の交差の場としての物語(速水淑子)
2.二〇〇年前の「交差点」と「地下室」(アルヴィ宮本なほ子)
3.リプロダクティヴ・ジャスティスとインターセクショナリティ(土屋和代)
4.社会運動、司法言説、歴史叙述(岡田泰平)
5.現代インドから「インターセクショナリティ」を考える(井坂理穂)
Ⅱ インターセクショナリティから読み解く現代世界
6.インターセクショナリティ(交差性)に関する四つの疑問(和田毅)
7.イスラエルにおける性的少数者/動物の権利運動とパレスチナ問題(保井啓志)
8.エイズから新型コロナ、白紙運動からフェミニズム運動へ(阿古智子)
9.インターセクショナリティに抗するフランス?(伊達聖伸)
10.安心をもたらさないインターセクショナリティへ(清水晶子)
感想・レビュー
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