内容説明
「後に続くを信ず」。
特攻隊として日本のために散華した方々が残した言葉だ。
この言葉をどう解釈するか。
戦争のために出撃し続けろという解釈も出来なくもない。
だが、私の解釈は違う。
後世に生きる日本人が平和に繁栄してほしい、と願いを込めた言葉だと信じている。
自らの命を投げ出し、後世の我々に日本の未来を託した。
そうした言葉ではないか。
私も後に続くつもりである。(「まえがき」より抜粋)
まえがき
第一章 日本国民として忘れてはならない方々
第二章 『きけ わだつみのこえ』の許されざる改竄
第三章 若者よ、特攻隊は偉大であった
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
57
特攻隊戦歿学徒の遺書を扱った書籍として『きけわだつみのこえ』がある。本書は『きけ…』が戦後の編輯に際して、ある意図の元に全く恣意的な改竄、編輯がなされたとする。改竄を「驚くほかない知的傲慢さ」と断ずる著者は、遺書に記された多くの若者の家族・恋人・国家に対する敬虔かつ誠実な思い、激情を素直に読み込み、そこにある「後に続くを信ず」の言葉を、後世の我々へのメッセージと受け止める。著者の行為は、戦前と戦後で思想信条を逆転させた一部思想家たちの変節ぶりの対極にある。本書に記された言説の中に、私が今出来ることを思う。2024/10/29
軍縮地球市民shinshin
18
『きけ わだつみの声』の改ざんの経緯を記した第2章が秀逸。旧版と新版があり、新版は削除された箇所を復活させたというが、それも全部ではないらしい。都合の悪い個所を意図的にカットした。そもそもこれに選ばれなかった遺書も多い。愛国心が窺える遺書は巧妙に排除されているという。また出隆という哲学者には心底あきれた。戦中には特攻隊を美化し、「立派な死を」とか言っていたのに、戦後は180度ひっくり返して特攻隊員は犬死だと罵る。こんなのが東大教授だったのが恐ろしい。まぁ今でも東大の教員はこんなのが多いのかもしれない。2024/08/21
tomo
15
☆☆☆☆☆ 反戦の書として名高い「きけ わだつみのこえ」、タイトルだけは目にしたことがあったけど…特攻隊員の遺言書を切り貼り編集して左翼のお気持ちを出版。戦前「美しく死んでくれ」と言っていたのに、戦後180度違う主張の出隆東大教授。恥ずかしい…怒りというより、つまらないギャグか。日本が植民地になるか、最悪消滅するか分からない当時の特攻隊員の気持ちを考慮せず、「愚かだった」「無謀な作戦だった」と嘲笑するのは戦後の結果を知っているから。その立場からの意見は、傲慢で不誠実。完全同意だ。2024/11/25
都人
4
この本(特に最後にある講演)を読み終えて、あることを思いだした。今は国会議員の山田宏氏が東京都世田谷区長だったとき、区主催の記念式典で新成人に行った祝辞件講演だ。「二十歳になるだけなら馬でも牛でもなれる」から始まるその講演だ。2024/12/01
hidemas
4
第二章「きけ わだつみのこえ」の許されざる改竄、は必読。出隆をはじめとする戦後左翼言論人が如何に卑怯な人物かよくわかる。これは現代においても同様なのだろう。本当に愚かで醜い生き物だと思う。 後に続くを信ずと言い残して国のために命を捧げてくださった全ての特攻隊員に最大限の感謝をせずにはおれない。私も微力ながら、現代の若者に岩田先生のお考えを広めるのに協力したい。2024/08/13