内容説明
美貌とカリスマを備えた友人・空知の行方を追い、東南アジアの混沌に飛び込んだ晃。だが待ち受けていたのは、空知とその姉妹の凄絶な過去だった……。数多の賞を受賞した著者が到達した「現代の黙示録」!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみのすけ
31
非正規雇用の冴えない契約社員。会社では女性を軽視した発言で女子全員に総スカンをくらい、退職を決めた。毎日を無為に過ごしていた彼の元に高校時代容姿の端麗さで皆の羨望を集めていた友人空知の父親が亡くなったと連絡が来る。葬儀に参列したことで、音信不通の空知を探すべくカンボジアへの壮大な物語が始まる。空知と彼の姉妹を探す物語は次々に思いもよらない展開が進み、ハラハラドキドキ。彼らに何が起こったのか。特殊詐欺に、カンボジアの歴史、様々な出来事が物語に絡み、怒涛の展開でおもしろかった。最後は呆然。2025/02/09
楽駿
28
品川図書館本。最近、嵌っている桐野氏。ストーリー展開が上手すぎて、知らず、すらすら読めちゃう。私が知っているようで知らなかった国の現状も、綺麗に説明されていて回収。思った事を思ったように語れない国の現状は、きっと、どこもここと同じなのかもしれない。バックパッカーの現状というものも、実はこんなものなのかもしれない。人は自分の為に生きているのか、それとも、自分に期待している人の為に生きているのか、迷う。自分の為に生きていく事が、なんて贅沢で、難しい事なのか。どう自分が行きたいのか、改めて迷った。2024/10/13
Shun
27
自堕落で取り柄のない非正規雇用の晃にも、高校では共に青春時代を過ごした人気者の親友がいた。そんな友とは卒業以来会う機会もなくなり彼の父親の葬儀に出席した際、かつての親友はカンボジアで消息を絶ったと知らせを受ける。いくつか怪しい話ではあるけれど親族からの資金援助を受け、晃は単身カンボジアへと捜索に旅立つ。そして東南アジアの奥地にて彼が目にするものは人間の醜さを濃縮した負の側面、まさにこれまで桐野夏生が描いてきたものでした。しかし日本から遠く離れた異郷の地であることが新鮮で同時に異文化探訪の味わいもあった。2026/04/19
でっこいみちゃぴん
25
桐野先生の小説って読むとズシンと来るのにそれでも読むのは、現実を足がかりに組み上げたフィクションだからこそ映せる迫真さとか冷たさとか、知らないといけないって思わせる社会問題とか、煮詰めた悪意の書き方に惹かれるからなんだけど、この作品はピンと来なかった。 人物もストーリーもさすがにとても面白いけど、書き方にキレが無かったような。もっとスパスパ切れるような容赦ない文章を求めてしまう。2025/12/30
Eddie
15
全く先の読めないストーリーだったが、なんかいい感じのエンディングになりそうと思ったら、そんなんアリ??という結末。懸命に探した友とそんな風になるか?!と、個人的には納得しかねるラストでした。 でもガッツリはまるストーリーは秀逸!2025/05/14
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