内容説明
江戸の昔、左甚五郎という世にもまれな彫り物師がいた。上野寛永寺の鐘付き堂に彫った龍が、夜な夜な柱を抜け出して不忍池の水を飲む、と大騒ぎになるほどの名人だった。その腕を見込まれて、日光東照宮に猫を彫ることになった甚五郎だったが、なぜかぶらぶら歩き回ってばかりで一向に仕事にかからない。ある日、お百姓の家の庭先を通りかかった甚五郎は、ある光景を目にして「これだ!」とひらめいた……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
84
講談の絵本シリーズがあることを知り、まずは、日光東照宮の"眠り猫"を手に取ることにしました。講談師の宝井琴調さんが文を、ささめやゆきさんが絵を担当しています。講談の調子の良さに絵のほんわかした雰囲気があいまっていっそう味わいのあるものになっています。左甚五郎が彫った鯉が水の中で泳いだり、上野寛永寺の鐘撞堂の柱に彫った龍が夜な夜な不忍の池の水を飲んだり、ワクワクする前段のお話です。しかし、勇ましく生き生きとした猫よりも優しく瞳を閉じた眠った猫が選ばれた理由は、少し子供には伝わりにくかったかもしれません。2024/09/25
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん
56
とても面白い講談絵本!江戸時代、有名な彫り物師の左甚五郎の彫った鯉は池で泳ぐとか。そこで腕を見込んで将軍・家光は日光東照宮に飾る猫を彫れと言う。日光で有名な彫り物師の六兵衛との競合となった。いかにも恐ろしい姿の猫を彫った六兵衛に対し、甚五郎は優しく瞳を閉じた猫を彫った。さて、軍配はどちらに?日光東照宮に行った事がない人(←私w)も、見た事がありますよ😻😸😻😸2024/09/16
ヒラP@ehon.gohon
30
講談を聴いているような、歯切れのいい文章で、伝説の彫刻師左甚五郎の偉業が語られます。日光東照宮の眠り猫の話だけに、知っている大人も多いはず。 子どもたちには、語りの面白さを味わってもらいたい作品です。 伝説の彫刻家だけに、彫り上げた作品についた逸話にも説得力があります。2021/09/16
oldman獺祭魚翁
26
さて名人として名高い左甚五郎の眠り猫の話。これも世話物ですね。2022/05/27
かもめ通信
17
世に名高い「日光の眠り猫」の誕生にまつわる講談話。さすがの名調子に思わず、声を出して読みたくなります。 祝 #福音館70周年 2022/05/20
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