内容説明
年の瀬の江戸の町。三両の入った財布を拾った金太郎は、持ち主の吉五郎を探して届ける。ところが吉五郎は、いったん落としたものを懐に入れるるわけにはいかないと言い、頑として受け取らない。しまいには金太郎との間で大げんかとなり、とうとう奉行所にうったえることに。事情を聞いた大岡越前がとった行動とは? 江戸っ子の意地の張り合いをみごと裁いた大岡政談「三方一両損」が、楽しい絵本に!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
121
講談絵本ということでよく講談で語られる大岡裁きの話です。素朴な味わいの絵がよくそれがこの話の中の江戸のべらんめい調にあっている感じがします。子供にただ読ませるだけではこの話のいい感じが出てこないと思います。講談調で読んであげたほうが楽しさが大きくなる感じです。2018/01/05
ぶち
81
講談にも落語にもなっている「三方一両損」のお話。 年の瀬の江戸の町。財布を拾った金太郎。落とし主に届けますが、一度落とした金は受け取れないとつっぱねる吉五郎。江戸っ子の意地をかけての大げんかです。 江戸っ子の意地の張り合いに、大岡越前が仲裁に入ります。 見事な大岡裁き、小気味よくて粋だなぁと感激しました。本物の講談でも聞いてみたいです。2024/09/30
どあら
35
図書館で借りて読了。このお話、テレビの時代劇でも見たことがあって、大好きでした!(^^)2020/07/10
gtn
28
左官屋金太郎の損害は逸失利益であり、畳屋吉五郎は拾得者に対し報労金を支払っただけのこと。実質一両損をしたのは大岡越前のみとなる。さて、越前が出した一両は果たして本当にポケットマネーだったのだろうか。もし、奉行所が負担していたとすれば、再考を要する。2021/01/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
講談の絵本。時代劇と言えば大岡越前!というのは、今の子どもには通じるはずがありませんが、このおはなしで知ってもらえたらなぁ。講談がお芝居になり、馴染みある映画やドラマになっていることも知ってほしい。2022/05/15