ガングロ族の最期 ギャル文化の研究

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ガングロ族の最期 ギャル文化の研究

  • 著者名:久保友香【著】
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  • イースト・プレス(2024/08発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781623016

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内容説明

ビーチイズムからギャルは生まれた。
かつて渋谷には、ヤマンバ、マンバなどと呼ばれた極端に肌を黒く焼いた「ガングロ・ギャル」がいた。彼女たちはどのようにして生まれ、そして消えていったのか。
戦後日本のメディア環境と日焼けスタイルの歴史から、ギャル文化の源流をスリリングに読み解く!


2020年代現在、メディアを席巻するギャル文化の源流は、90年代からゼロ年代にかけて渋谷に特異点のようにして現れた「ガングロ・ギャル」にある。
彼女たちはなぜ、突如現れたのか? 90年代、デジタル・テクノロジーが大きく発展し、コミュニケーションの場がリアル空間からバーチャル空間へと移行する中、渋谷を砦にリアル・コミュニケーションの美意識を最後まで守ろうとしたのが彼女たちだった。その後、世界はバーチャル・コミュニケーション中心の新しい時代を迎え、ガングロ・ギャルは消えた。彼女らが残した記録と証言、新しいコミュニケーション・テクノロジーを詳細に取材し、「ビーチイズム」からギャル文化の成立を大胆に読み解く。

【目次】
●序章 インターネットのせい
インターネット前夜
一九九〇年代後期の渋谷
「ガングロ・ルック」の歴史

●第一章 ガングロ・ルックの源流
・第一節 フランス・ガングロ・ルック
一九七〇年代のガングロ・ルック
ビーチ・バカンス
西洋のビーチの歴史
西洋の日焼けの歴史
日本のビーチ
洋装とガングロ・ルック
ガングロ・ルックの幾何学
白っぽいリップの出現
ビーチ・コミュニケーション

・第二節 カリフォルニア・ガングロ・ルック
アメリカ人になりたい
ビーチパーティ映画
ティーン・ピクス
アメリカのサーフィンブーム
ロスアンゼルスのビーチ
スターになれるかもしれない
外見の大量生産システム

・第三節 東京・ガングロ・ルック
東京のディスコ
ゴーゴーダンス
ビーチとしてのゴーゴー
青春ア・ゴーゴー
東京ヤンキー
港区の若者文化
渋谷の兆し
ユニオンの紙袋

●第二章 渋谷・ガングロ・ルックの変遷
・第一節 一九七〇年代後期の渋谷・ガングロ・ルック―サーファー・陸サーファー
日本のサーフィンブーム
日本のサーフィンの歴史
『ポパイ』とサーフィン
髭とマッシュルームカット
サーファーカット
サーファー・ディスコ
日焼けサロン革命
「見立て」のビーチ
アメリカン・グラフィティ
アメリカ学園映画
読者モデル誕生
アメリカと渋谷

・第二節 一九八〇年代中期の渋谷・ガングロ・ルック―ロコガール
ビーチに通う高校生
ギャルはお化粧しない
ロコガール・ルック
都外からの侵略
ヒップホップ・ルック

・第三節 一九九〇年代初期の渋谷・ガングロ・ルック―ポスト・ロコガール
渋谷の大きな高校生集団
ミージェーンとアルバローザ
ロコガール・コミュニケーション
渋カジの高校生
カルチャーの渋谷

・第四節 一九九〇年代中期の渋谷・ガングロ・ルック―コギャル
「コギャル」の出現
海の波より渋谷の波
ボディコンの終焉
元祖カリスマ店員

・第五節 一九九〇年代後期の渋谷・ガングロ・ルック―ガングロ
スターに会える街渋谷
ストリート雑誌
渋谷・ガングロ・ルック
SHIBUYA109リニューアル
エゴイストの化粧
欧米人憧れの終着点
ビーチイズムの肌

・第六節 二〇〇〇年代の渋谷・ガングロ・ルック―ゴングロ・ヤマンバ・マンバ
ガングロからゴングロへ
ブリテリとゴングロ
ガングロ道
外見に託す「願い」
オープンソースな外見
渋谷の祭り
どこでもカメラ
ネット・サーフィン
ガングロのアイコン化

●終章 ハロウィンの渋谷
ハロウィンの集会
渋谷クロッシング
インターネットが盗んだもの

脚注
関連年表
関連地図

【関連ワード】
ギャル ガングロ ゴングロ egg 渋谷 109 都市論 アラン・コルバン 浜辺の誕生 アメリカ 東急 盛り アート

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

4
アメリカへの憧憬から始まり、インターネット時代の変化で終わる。80年代90年代に生きた若者たちの変遷。ギャルだけではない内容ですこと。歴史(過去)となった今ではそれら全てが同一視されてしまうけれども、その時代時代の個別で特別なものがあったという。海が渋谷となり、渋谷がインターネットとなり。おそらくこれからもティーンの文化は特別なもの、特別な付き合いとなっていくのでしょう。良い本です。2024/08/29

Yasuhiko Ito

3
著者の母親の知人(団塊世代と思われる都内良家の女子たち)を実際にインタビューして色々と調べた卒論風の作品。戦後アメリカへの限りない憧れを抱き、音楽でもファッションでもアメリカのビーチを真似をするためのステージが渋谷であった。しかしいつしか音楽もファションもアメリカの模倣は終焉し独自の進化を遂げていく。そしてインターネットが依るべきアイコンを無限に分散させたせいで、もはや渋谷には年に一度のハロウィーン発表会の場所として役割しか残っていない。そんな結論だったかな。2024/09/09

3
★3/5 「仲間内でイケてると思われること」や「マスメディアに見つかりスターになること」等の思惑が複雑に重なり合い、一口にギャルといっても、数年スパンで外見が変化していった様相は非常に興味深かった。個人のインタビューをベースに主張が展開されるので論理の飛躍が気になるところはあるものの、多くの要素が複雑に絡み合って文化が形成されることをリアルに感じられて、多くの収穫があった。2024/08/14

caniTSUYO

2
ビーチイズムの誕生〜ギャルの起源を導き出し、ビーチにおけるコミュニケーションが渋谷というビーチを舞台に引き継がれてく様、その中でトレンドチェンジングと変遷を重ねていくギャルという存在、そしてインターネットがそれらの魔法を奪う。しかし、それはリアルバーチャルでギャルという存在が場所を移した変節点という見立ての展開は非常に面白い。ギャルの不在とoasisの解散の比較で始まった本書は今年のoasisの復活で意味性を増したかと。 個人的には本書で描かれたギャルたちは令和にはトー横キッズに接続されるのでは?と思う。2024/09/11

らすた

1
単にガングロの歴史だけでなく、インターネットの普及がガングロの消滅に少なからず影響を与えていたというのは面白い視点でした。 ただ、それまでの日焼け文化とガングロの発生には大きな段差があり、もう一段考察が欲しい気がしました。2024/09/02

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